ライドシェアに県内初参入 尾花沢タクシー、12月中旬から
尾花沢市の「尾花沢タクシー」(渡会友補社長)は、タクシー会社の管理下で一般ドライバーが自家用車で客を有償で運ぶ「日本版ライドシェア」に県内で初参入する。東北有数の観光地・銀山温泉が本格的な書き入れ時を迎える12月中旬から3月末にかけての午後4~8時台に実施する。7日に東北運輸局山形運輸支局から許可された。 観光需要が回復し、銀山温泉の2023年度観光客数は33万4100人と20年度比で約3割増。年末年始と中華圏の春節(旧正月)を中心に、タクシーが不足している。同社は残業規制強化による「2024年問題」を踏まえ、参入を決めた。 ライドシェアはタクシーを補完する位置づけで、今年4月に大都市圏で始まった。客はアプリで配車依頼し、発着地と運賃を確定してキャッシュレス決済するのが基本だが、電話での配車依頼、現金払いもできる。料金はタクシーより割高で、同社の場合は13%分加算され、銀山温泉―JR大石田駅は片道8800円ほど(タクシーは7800円)。一般ドライバーとして温泉旅館スタッフやスイカ農家などを想定する。
渡会社長は、導入は試行的な意味合いが強いとし「利用者とドライバー、会社、地域にとって利点の多い仕組みになるよう、課題を検証する」と説明。安全管理や事故時の責任は事業者が負うため、「安全確保が最優先で、一般ドライバー研修や日々の各種点検を行う」としている。 問い合わせは同社0237(23)2525。