「ルパン三世の愛車」が販売終了!? 現行型じつは16年続いた超ベストセラー 「不二子PINK!」が出たことも
販売終了のタイミングで登場したコラボ限定車
2008年3月の日本上陸以来、16年間にわたって約13万台販売されたフィアット「500」が、2024年5月に生産を終了しました。このクルマは、1957~1975年に生産された「ヌオーバチンクエチェント」こと2代目「500」をモチーフにしたキュートなスタイリングが受けて人気となったコンパクトカーです。 【大人の事情で消えちゃった】これが「ルパン三世」が愛したベンツのオープンカーです(写真) 低燃費と性能を両立させた画期的な2気筒エンジンとして話題になった「TWIN-AIR」は一足早く生産を終了したため、2024年10月現在、在庫販売されているのは1.2リッター4気筒「マルチエア」エンジンを搭載した「500」と、ルーフが開く「500C」、そしてオシャレなツートンカラーで塗装された限定75台の「500C Collezione 1957」のみです。 こうして、そのまま静かにフェードアウト……、と思われたフィアット「500」ですが、2024年9月10日、最後の限定車が発表されました。その名は「500/500Cスペシャルエディション」。なんと人気アニメ『ルパン三世』とのコラボモデルです。なぜ「500」の最後を飾るモデルに『ルパン三世』が選ばれたのでしょうか。 モンキー・パンチさんによる原作漫画『ルパン三世』がマンガ誌に連載を開始したのは1967年8月のことです。TVアニメ化が実現したのは、それから4年後の1971年8月のこと。じつは漫画版ではルパン三世は車種不明のセダンに乗っていたのですが、アニメ化にあたって演出家の大隅正秋(現・おおすみ正秋)さんの意向により、作品のリアリティ性を高めるため、あえて実在するクルマを登場させるようになったのです。
『カリ城』の前に「フィアット500」登場していた!?
アニメ『ルパン三世(Part1)』では、当初ルパン三世の愛車はフェラーリ製V12エンジンを搭載したメルセデス・ベンツ「SSK」でしたが、大隅さんが降板し、ピンチヒッターとして宮崎 駿さんと高畑 勲さんが演出に加わると、フィアット「500F」へと変更されています。 これは「SSK」を描けるアニメーターが少なく、作画に手間がかかることから宮崎さんの発案で「ルパン三世を大塚さんの愛車(当時)に乗せよう」との鶴の一声で決まったそうです。初登場は第16話「宝石横取り大作戦」で、以降最終回まで薄い水色のフィアット「500F」が活躍することになります。 当初こそ視聴率低迷にあえいだ『ルパン三世(Part1)』でしたが、その後の再放送で人気をつかみ、1977年10月から『新ルパン三世(Part2)』として新作がオンエアされることになります。このときのルパン三世の愛車はアルファロメオ「グランスポルト・クワトロルオーテ」でしたが、最終回の「さらば愛しきルパンよ」のラストシーンにフィアット「500F」が登場します。 また、シリーズオンエア中に劇場版2作目となる『ルパン三世 カリオストロの城』が制作されると、この作品中でクリーム色の「500F」が大活躍したことにより、以後「500=ルパン三世の愛車」とのイメージを固めました。 なお、1984年3月からオンエアされた『ルパン三世 PARTIII』には、フィアット「500F」はほとんど登場しなかったものの、声優が一新された1987年制作のOVA『ルパン三世 風魔一族の陰謀』は、大塚さんが監修にあたったことで「500F」が再登場します。 その後、1990年から日本テレビ「金曜ロードショー」の枠内で「TVスペシャル」が制作されるようになると、初期のシリーズこそ「500F」は登場しませんが、1995年に10年ぶりの劇場作品『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』でクリーム色の「500F」が登場(同時期のガソリンスタンド「ESSO」のCMにも出演)したことを機に、「TVスペシャル」にも時折「500F」が登場するようになります。