「とっととくたばりやがれ」最後に待つのは笑いか涙か感動か!?じいさん2人の友情物語【作者に聞く】
スタンリーじいさんとアルフレッドじいさんは、家が隣同士の幼なじみ。色の好みも趣味の好みも女性の好みまで似ているのに、なぜか意見は一致せずケンカが絶えずにこの歳まできた腐れ縁だ。「ジジイにジジイと言われる筋合いはねぇ!」「一体どこの小学校出てんだ!」「てめぇと同じとこだよ!!」と毎日飽きもせず元気にケンカをしていた。 【漫画】本編を読む/2人の友情はどうなるのか…!? その日も通常運転でケンカをした流れで、スタンリーじいさんは別れ際に「とっととくたばりやがれ」と捨て台詞を吐く。その夜、ベッドの中で“さすがに言い過ぎたかな”と反省するものの、アルフレッドじいさんに言い返された「お前の棺桶蹴っ飛ばした後でな!」という暴言を思い出し、反省するのはやめて眠りについた。 そんな翌朝に事件は起こった!スタンリーじいさんは庭仕事をしながら、“アルフレッドめ。今日はやけに遅いな”と心配しているところに、「スタンリーおじいちゃん!!大変!早く来て!!」とアルフレッドじいさんの孫たちが呼びに来た。その後スタンリーじいさんは、「なんてことだ。あまりにも突然すぎる…」と涙を流す展開になるのだが…。 この話を描いたのは、2017年に読切漫画「ハッピー・モーニング」が「月刊コミックゼノン」(コアミックス)に掲載され、商業デビューを果たした漫画家・三堂マツリ(@mido_mads)さん。「ブラック・テラー」や「ブラッディ・シュガーは夜わらう」(全3巻)も単行本として刊行されている、今注目のショートホラー作家だ。少し陰気で、日常から一歩ズレた奇妙な世界観を描くことを得意としており、本人いわく「ジャンルとしては、ミステリーとファンタジーの中間くらいでしょうか」とのこと。「ブラック・テラー」や「ブラッディ・シュガーは夜わらう」にはその世界観が見事に反映されている。三堂マツリさんに、今回紹介した作品についても話を聞いてみた。 ――おじいさんたちのやりとりが絶妙ですね。頑固なおじいさんの友情をモチーフにしようと思ったきっかけについて教えてください。 いわゆる “犬猿の仲”といった関係性が好きなのですが、もし年を重ねてもそんな関係が続いていたらどんなやりとりをするのだろうと思ったのがきっかけです。 ――「とっととくたばりやがれ!」と言った日の翌朝、事件が起こります。このエンディングについて著者としてコメントをいただけますか? 人生でいろいろなことを経験したであろう彼らの、あくまでも“日常の1ページ”を切り取ってあのラストにしました。相手にひどいことを言ってしまった結果がどうなったのか…?ページをめくる前に一呼吸置いて予想していただけるとうれしいです。 ――今後の新作のご予定などありましたら教えてください。 短編読切を中心に今後も不定期でSNSにアップしていく予定です。気長にお待ちいただけましたら幸いです。 この作品は、喜劇に見せかけた悲劇なのか、ホラーなのか。まったくの逆で、悲劇の顔をした喜劇なのか?短編という短さのなかで展開するショートストーリー。最後に待つのは、笑いなのか、涙なのか、感動なのか…着地点は一体どこに!?読み手を惑わす三堂マツリさんの世界観をお楽しみあれ! 取材協力:三堂マツリ(@mido_mads)