イーサリアム、ガス代の記録的な下落は強気のシグナル:アナリストが指摘
イーサリアムでの取引に支払われる手数料の急落は、ネットワークの基礎となるトークン、イーサリアム(ETH)の強気のサインを示す可能性があると、あるアナリストは過去のデータを引用して述べた。 ビットゲット・リサーチ(Bitget Research)のチーフアナリストであるライアン・リー(Ryan Lee)氏は、CoinDeskと共有した8月16日のメモの中で、「イーサリアムのガス代がどん底まで下がるたびに、中期的な価格の底を示すことが多い。ETHの価格はこのサイクルの後に強く反発する傾向があり、この瞬間が利下げサイクルと重なると、市場の富による効果は可能性に満ちている」と述べた。 ガス代とは、ユーザーがネットワーク上でトランザクションを実行するために支払わなければならない必要コストを指す。手数料は今週初めには0.6gwei(ガス代の単位)まで下がり、優先順位の低い取引では1gwei以下の手数料しかかからなかった。この手数料は、ネットワークが急増した3月の83.1gweiの水準から95%以上下がったことになる。 イーサリアムのブロックスペースに対する需要の欠如と、他のブロックチェーン上のアプリケーションを使用することへの嗜好が、手数料の下落につながった可能性が高いとリー氏は述べた。 「イーサリアムのガス代が5年ぶりの低水準まで下落したのは、ミームとDappのトランザクションがソラナ(Solana)やレイヤー2のような高速で安価なブロックチェーンに移行したことに加え、待望のデンクン(Dencun)・アップグレードによってネットワーク効率が改善されたためだと考えられる」とリー氏は説明した。 デンクンとは、3月に行われた2度目のメジャーアップデートのことで、イーサリアム・ネットワーク上でのトランザクションの処理と検証方法を変更した。7月以来、ソラナベースのアプリケーションPumpは、直近では8月13日に、数回にわたり、単一の24時間の間にイーサリアム・ネットワーク全体よりも多くの手数料を懐に入れた。 一方、手数料の低下により消費されるETHの量が減ったことは、トークンの供給量が増え始めたことを意味する。 データによると、過去1週間で約1万6000ETH(現在の価格で約4200万ドル、約63億円)がイーサリアムの総供給量に追加され、供給量は今年0.7%増加する勢いとなっている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Record Drop in Ethereum Gas Fees Marks Historically Bullish Signal For ETH, Analyst Says
CoinDesk Japan 編集部