米ESG投資家、トランプ氏返り咲きで対応不可避-言葉遣いなど改め
(ブルームバーグ): ドナルド・トランプ氏の米大統領への返り咲きを受け、ウォール街の専門用語が飛び交う一角では、論点の再考を余儀なくされている。
トランプ次期大統領が「詐欺」や「でっち上げ」と非難した気候変動をターゲットとする投資マネジャーらは、トランプ氏に投票した数百万人の米国民を敵に回さないような言葉遣いを始めるべき時だと口をそろえる。
ゴールドマン・サックス・グループの元マネジングディレクターで、資産家トム・ステイヤー氏の投資会社ガルバナイズ・クライメート・ソリューションズで不動産投資を手掛けるジョー・サムバーグ氏はインタビューで「気候変動やエネルギー転換について語る際の言葉遣いを変える必要がある」と述べる。
その上で「敷地内に二酸化炭素(CO2)回収装置を設置し、工業用地にはコンポストトイレ(バイオトイレ)を導入すべきだと人々に説いているような沿岸部のエリート集団のように思われないようにする」ことが目標になるとコメントした。
これは今月5日の米大統領選から得られた数多くの教訓の一つであり、ESG(環境・社会・企業統治)戦略全般をターゲットとする投資家は現在、分析に忙殺されている。
環境関連の資産運用会社の間では、共和党が牙城とする多くの州で採用されているという事実に基づき、政策自体の多くは人気があるというコンセンサスが形成されつつあるが、ESG専門家が自分たちの取り組みを宣伝する方法は政治的二極化をあおるものだ。
原題:Trump Victory Forces Once Vocal Corner of Wall Street to Regroup(抜粋)
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Frances Schwartzkopff