ヘッジファンドの「ポッド」戦略、年金や寄付基金が模倣
(ブルームバーグ): 年金基金や寄付基金が、巨大なマルチマネジャーヘッジファンドの手法を参考にし、自らも実践している。
テキサス大学投資管理会社(UTIMCO)やウィスコンシン州投資委員会(SWIB)など、合計2300億ドル(約35兆5000億円)の資産を持つ機関投資家は、マルチマネジャーファンドが複数のトレーダーチーム(ポッド)を使って多様な戦略に投資するやり方を模倣してヘッジファンドに投資している。
各ヘッジファンドは基本的に一種のポッドとなる。機関投資家は、セパレートリー・マネージド・アカウント(SMA)と呼ばれる一任勘定を利用することにより、エクスポージャーを調整し、執行コストを節約し、独自のリスク限度を課すことができる。
ウォールアイ・キャピタル傘下でSMAによるヘッジファンド投資を支援する新事業であるドックサイド・プラットフォームズのマイケル・ジョーダン最高経営責任者(CEO)は「洗練されたアロケーターはマルチマネジャーのヘッジファンドのような投資を望んでいる」と言う。そうしたファンドから「学んだことや慣行、仕組みを自分の投資方法に役立てよう」としているという。
ライトハウス・パートナーズやイノキャップなど、同様のアプローチを提供する企業もある。イノキャップの顧客には、オンタリオ州教職員年金基金、ケベック州貯蓄投資公庫 、ロサンゼルス郡職員退職年金基金(LACERA)などがある。
関係者によれば、イノキャップは過去1年間に100億ドルもの顧客資金流入を記録しており、1996年の設立以降で最大の伸びだという。
機関投資家顧客は、他の投資家と一緒に資金をプールするのではなく、ヘッジファンドに個別に取引を依頼する。また、ヘッジファンドがどのような取引を行っているかを知ることができる。その知識があれば、自分のポートフォリオの他の場所で、成功した投資を再現することができる。
ドックサイドやイノキャップのような企業は、アロケーターがSMAを通じてヘッジファンドに投資し、条件を交渉するのを支援する。アロケーターは、いわゆるポッドとして希望するファンドを選び、さまざまなビークルによる取引を比較することができる。