高校生がコロナ禍真っただ中に起立性調節障害の実話を映画化!「今日も明日も負け犬。」の原作本が涙の発売
本日私の作家デビュー作となる、「今日も明日も負け犬。」が幻冬舎より発売された。「今のうちに本作っとけば、いつでも映画作れるっしょ」。当時クラスメートだった西山夏実は、私にそう言った。彼女の空前絶後の発想をマジで受け入れた16歳の私は、そこからいろいろな道をたどった結果、20歳の今作家デビューをしようとしている。 【動画】eiga worldcup2021で日本一となり、全国72カ所、約2万人を動員した「今日も明日も負け犬。」予告編 正直よくわからない。だって私って、本を書くような人間じゃない。小さい時から本を読みあさっていたとか、文章を書くのが好きだったとか、アーティスト家系に生まれたとかそんな境遇にもない。20歳でデビュー作出版? 小学生の頃、登校中にぬかるんだ地面で毎日足を滑らせ、ランドセルごと泥まみれになって、「遅刻しちゃう~」と泣きべそかいていた私が、もし何かの時空のゆがみで20歳の私の状況を知ってしまったら、「ありえんし!」と言ってまたワンワン泣きだすだろう。発売日になっても、実は脳内から「?」がダダ漏れなので、今回出版に至った経緯を最初から振り返っていこうと思う。全部ウソのようでホントの話。
彼女が言った「自分の人生を映画にしたい」
高校1年生の秋、教室で紙切れに書いていた詩ともいえない言葉が西山に見つかり、彼女がそれを読み感動したことがきっかけで、私は西山から温泉に誘われる。その時に西山の口からこぼれたのは、彼女の中学時代の闘病生活についてだった。当時は、なんとなくその場の流れでそんな話になったと思っていたが、西山は私を意図して温泉に誘ったのだと4年たった今気づく。西山は高校で出会った私に向かって、中学時代のことを一から全部話した。 中学で「起立性調節障害」という病気になったのがきっかけで保健室登校していたこと。保健室登校中支えてくれた人物がいたこと。勉強もままならなかったけど夢を諦めたくなくて偏差値72の高校に受かるために死ぬ気で勉強したこと。当時の自分を支えてくれた人に恩返しをするために自分の人生を映画にしたいということ。小田に映画の元となる原作本を書いてほしいということ。