ゴールする村山謙太（撮影・中田匡峻）

　「大阪マラソン」（２５日、大阪府庁前～大阪城公園） 　村山謙太（３１）＝旭化成＝がレース途中に個人チップを落とし、走って取りに戻るアクシデントに見舞われた。２つのチップをともに落とし、１つは引き返して拾った。ＮＨＫの中継では速報タイムは計測されなかったが、成績は２時間９分００秒で１８位と発表された。村山の成績は中間点以降、記録が計測されていなかったが、大会事務局は「途中はチップが反応せずタイムが計測できなかったが、ゴールはチップが反応したため公式記録になる」と、説明した。 【写真】計測チップを付けスタートする女と男・市川、ワダちゃん、兵藤大樹ら 　今大会では大阪万博のマスコットキャラクターである「ミャクミャク」がプリントされた、２、３センチ四方のカードが使用されており、靴ひもなどに結びつけて走る選手らが多かった。村山は両足の靴にそれぞれチップを装着していたが「１個は８キロくらいの場所で取れて、１個取れてももう１個あればいいかなと思っていたら、２１キロくらいで（残り１個が）飛んだ。その時は余裕があったので取りに行った。（２個とも取れて）タイムが取れなかったら、ゴールしてもタイム取れなくなっちゃうのかと思い、取りに戻った」と振り返った。 　チップにはランナー個人のスタート、途中地点、ゴール地点などの通過タイムに関わる情報が入力されるため、村山は２個目が取れた後は拾ったものを手に持ち「頼む、反応してくれと」通過ラインを通したというが、拾った執念が報われ、記録が公認となった。