新疆ウイグル自治区、中国政府がこの土地に執着する理由とは?
新疆ウイグル自治区は広大で砂漠地帯や険しい山脈地が多く、開拓するには過酷な地である。60年代からは核実験場としても利用してきた。中国政府がなぜこの土地に執着するのだろうか? 答えは簡単だ。石油に天然ガス、金などと地下資源豊富なウイグル自治区を手放したくないのである。これらの資源開発には当然、国営企業や大企業が参入し、地方から漢民族の出稼ぎ労働者を送り込んでは従事させている。
資源開発だけでなく、ウルムチなど都市部ではあらゆる場面で漢民族の人口が急増している。漢民族とウイグル族では信仰、生活様式、食べ物などの違いから、漢民族はウイグル族を雇いたがらないし、そもそもお互いを信用していない。このような事情で、ウイグル族の雇用も生み出さず、漢民族とウイグル族との間に経済格差の不満と憎悪が生まれる。それでも漢民族たちは新天地での仕事を求めて、次々と移住者が増えている。それらは当局主導の政策でもあり、ウイグル自治区だけでなく、特にチベット自治区や内モンゴル自治区などでも同じような政策が行われている。 中国 ウイグル自治区 2008年 (写真・文:村田次郎) ※この記事は「【フォトジャーナル】漢民族同化政策 中国・新疆ウイグル自治区 村田次郎」の一部を抜粋したものです。