13年の集大成、理想の鉄道ジオラマできた 熊本城や余部鉄橋、身近な街並みを10畳の中にこつこつ再現 その名も「トミ鉄ランド」
鹿児島県日置市伊集院町妙円寺2丁目の吉冨貢一さん(75)が、自宅に手作りしていた鉄道模型のジオラマ「トミ鉄ランド」を完成させた。この1年半で市内の国道3号をイメージした道路沿線や熊本城を新設したほか、レール全長を70メートルに延ばすなど13年かけて拡張。「これ以上増設するスペースはなく、手直しする箇所もない。100点に近い出来」と笑顔で話した。 【動画】列車が行き交う「トミ鉄ランド」を動画で見る
鉄道模型はNゲージと呼ばれる150分の1サイズ。孫の喜ぶ顔を見たいと、子ども部屋だった2階の10畳間に2011年から3年かけて長さ3メートル、幅2.5メートルのジオラマを製作した。 吉冨さんは魅力に引き込まれ、5路線が走る駅などの街並みや山々のリアルさを求めて改良を重ね、ジオラマの長さは約7メートルに拡大。新たに有名な余部鉄橋(兵庫県)を自作し、市内の朝日トンネル周辺も再現した。交流を続ける全国の愛好家から鉄道模型を譲ってもらったほか、車両も新たに70、80両購入し、計180両に増やした。模型など材料費だけで約200万円をつぎこんだ。 「ぜひ模型を走らせたい」と愛好家が遠くは福島県や大阪から訪れるようになった。吉冨さんは「実際に見てもらい、喜んでもらうのが生きがいになった。13年かけて作ってよかった」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島