チンクエチェントの灯が消える!? 16年の歴史に幕 フィアット「500」日本での販売が終了! 国内の販売台数は13万台の人気コンパクト
なぜ人気モデルの販売が終了!?
ステランティスジャパンは2024年5月21日、フィアットブランドの「フィアット500(チンクエチェント)」および「500C」の日本向け生産を同年5月に終了、ディーラーの在庫がなくなり次第、国内での販売を終了すると発表しました。 【画像】「えっ…! 」これが日本向け生産を終了したフィアット「500」です! 画像で見る(27枚)
フィアット500の歴史は古く、初代は戦前の1936年までさかのぼります。 初代フィアット500は2人乗りのコンパクトカーで、イタリア語でハツカネズミという意味の「トポリーノ」の愛称で呼ばれていました。この愛称は、時代を経て、2023年に欧州で登場したフィアットブランドのマイクロコンパクトEVの車名として復活しています。 1957年に復活した2代目となる500は「ヌオーヴァ500」と呼ばれたモデルです。全長3mにも満たないコンパクトなボディに4座を搭載。リアエンジンリア駆動を採用しています。このモデルは1975年まで製造されたロングセラーモデルで、アニメ「ルパン三世」の愛車としても知られています。 この2代目500のデザインコンセプトを現代に蘇らせたのが、3代目となる現行型です。2代目ヌオーヴァ500の発売から50周年となる2007年に世界初公開されました。 日本では2008年にデビュー。2011年には0.9リッター2気筒ターボエンジン「ツインエア」搭載モデルも追加されました。 そのレトロなスタイリングやポップなデザインの室内などが日本市場でも好評で、毎年JAIAが発表する「モデル別新規登録台数順位」では20位以内にランクインするなど人気のモデルでした。日本での累計販売台数はおよそ13万台だといいます。 これまで数多くの限定車、特別仕様車を用意したのもヒットした理由となっています。 ただし最近では、ツインエアエンジンの生産を2023年10月末に終了、1.2リッター直列4気筒モデルのみの展開となっていました。そして今回、「Stellantis(ステランティス)グループが掲げるグローバル戦略の柱である電動化の推進に伴い」、生産終了という形になりました。
※ ※ ※ では、“チンクエチェント”の灯は消えてしまうのでしょうか。そんなことはありません。 2022年4月に日本に上陸したフィアット初の電気自動車「500e」は、歴代チンクエチェントから受け継いだアイコニックなデザイン、そして数々の先進運転支援装置を備えた、新世代のモデルです。 全長3630mm×全幅1685mm×全高1530mmというサイズ感は、従来の500同様日本の道路環境でも扱いやすいボディサイズとなっています。
VAGUE編集部