「光る君へ」柄本佑、道長の懺悔シーンで解釈に変化 「道長にとって初めての局面」
さらに、その推移について「道長はぼんやりとしているように見えるけど、意外と周りのことを見ていて、ちょっと引いたようなところがあったりする。そんな彼が、あのシーンにおいてまひろに懺悔するというのは少しイメージが違う気がして。まひろにだけ本当の自分を見せていた道長が、不毛なことにまっすぐぶつかっていく初めての局面だったんじゃないかなと」と思い返しながら、この出来事が今後道長の人生に大きく影響していくことを示唆する。
「これから道長が偉くなっていくわけですけど、その過程ではきっとこの悲劇が根っこ、ベースにあるんじゃないかと思います。しかも、自分がよかれと思って行ったことで彼らを死なせてしまった。その事実も大きいんじゃないかと。道長にとって直秀の存在は大きく、道長が大人に変わっていくきっかけとなった人物ともいえると思います」
第9回のラスト、まひろは大学に向かう弟・藤原惟規(高杉真宙)を見送った後で、父・為時(岸谷五朗)に「男であったなら勉学にすこぶる励んで内裏に上がり、世を正します」と話していた。翌第10回「月夜の陰謀」では、まひろとの駆け落ちを決意した道長に対し、まひろは「道長さまは偉い人になって直秀のような理不尽な殺され方をする人が出ないような、よりよき政をする使命があるのよ」と諭した。直秀の突然の死は多くの視聴者の涙を誘ったが、道長、そしてまひろにとっても喪失は大きく、その影響は計り知れない。(編集部・石井百合子)