北海道で過去一早い「鳥インフル」発生 過去に“殺処分”の養鶏場は厳戒態勢 価格高騰続く「卵」に危機 「エッグショック」再来するか
■鳥インフルエンザの今後の感染状況は? 「去年よりも広がる、発生が多くなる可能性ある」と専門家
今後の感染状況はどうなっていくのか。 京都産業大学の高桑教授の研究所では、野鳥のふんを採取し、その中に鳥インフルエンザウイルスが存在するかを調べている。 京都産業大学 生命科学部 高桑弘樹教授:ここにニワトリの子供がいて、生きた状態でいるので…。 ふんから採取した液体を「ニワトリの卵」に注入。 異変が出た場合は、鳥インフルエンザウイルスに感染した疑いがあることを示す。 今のところ関西の野鳥からはまだ確認はされていないというが、ここ数年の鳥インフルエンザを取り巻く状況は変化しているという。 京都産業大学 生命科学部 高桑弘樹教授:(鳥インフルエンザが)毎年来るようになったんですよね。それまではだいたい2、3年おきくらいで、『ことし発生したら次の年はないよね』って感じだったけど、ずっと発生が続いているので。(鳥インフルの発生が)去年よりちょっと早いから、もしかしたら去年よりも広がる、発生が多くなる可能性はあるかもしれません。 「エッグショック」と呼ばれた、去年のような卵の価格高騰につながるのか。今後の状況を注視していく必要がある。
■「農家にとって逆風、国を挙げて支援を」
1羽でも鳥インフルエンザが出てしまうと、全て殺処分をしなければならないという、生産者の方にとっては死活問題だ。 共同通信社 太田昌克編集員:鳥インフルエンザがなくとも、最近逆風なんです。農家の方には。農水省の資料を調べましたら、まず飼料、餌代がコロナのあと1.5倍に急騰しています。非常に高い。さらに農家の数自体がこの10年間で1000減っています。2500あったものが、いま1640しかないという状況で、やはり国をあげて、行政もしっかりとまず予防体制をとる。それから早期の探知、そして出た場合は被害を食い止める。そして中長期的にこの業界を支援して行く体制。これをやっぱり抜本的に考えなきゃいかんということです。 気になるのは価格への影響。卵は物価の優等生と言われているが、消費者の方々にとっても影響大きい。 関西テレビ 神崎博報道デスク:卵は30年ぐらいずっと値段が上がらなくて、200円以下で買えてきました。去年のショックを受けて、200円台の半ばから後半300円台になってきました。餌代も上がっています。なので、実はもう安い卵はもう出てこないかもしれないと、心の準備をしながら、鳥インフルエンザが流行して卵の価格が高騰したら、消費者の防衛策としては、今までいっぱい使っていた卵の量をちょっと減らそうかとか、そういう形で料理を見直すなどの工夫も必要なのかなと思います。 (関西テレビ「newsランナー」2024年10月21日放送)
関西テレビ
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