開放感たっぷり!広々としたキッチンとテラスが魅力的な建築家・岡田宰さんの自邸。延床約33坪のシンプルモダンな平屋をご紹介
静岡と東京の2拠点で生活をしている建築家・岡田 宰さん。最小限の仕切りだけを使用し、どこにいても家族とコミュニケーションが取れる空間をつくり出しました。 【写真集】人気建築家の自邸を拝見!素材感が美しい、キッチン中心の伸びやかな住まい
“風景”だった自然が“過ごす場”へ
田畑と住居が混在するなだらかな山の中腹にあるみかん畑のなかに建築家・岡田 宰さんの自邸はあります。静岡にある自邸と東京の仕事場の2拠点で暮らす岡田さん。 キッチンを暮らしの中心に据えてコミュニケーションを促しつつ、周辺環境に適した素材を選びフォルムを実現する──。このバランス感覚が、心地よさを備えた美しい景色を住まいにもたらしています。
キッチンが中心にある暮らし
住まいの新築に際しては、キッチンが暮らしの中心になることを優先事項にしました。 留守を預かる専業主婦の奥さまの趣味は料理。キッチンの東側に子供室を配置することで快適に作業しながら、幼い2人の子供の様子を見られるように。視線を横に動かすだけで子供の様子が見えるため、安心して家事に集中できます。
家族の様子が一目でわかる空間
「建物は家族4人にとって必要最低限のスペースを確保することを基本に、平屋としました。リビングキッチンを大きくとるために、LDKを建物の中央に、両端に個室という配置です。寝室以外は個室に扉を設けていないので、キッチンで作業しながらすべての空間の様子がわかります」と岡田さん。
一日の太陽の動きがを感じられるテラス
リビングキッチンに加え、この住まいの魅力になっているのは広々としたテラスです。 室内空間との面積比率を一対一とし、全面にパーゴラを設置することで、内外を緩やかにつなぐ緩衝地帯に。室内のコミュニケーションが外部へと拡張しています。 テラスと室内の床のレベルは、庭よりも60㎝ほど高くなっています。庭からは大開口を介して、室内での家族のコミュニケーションの様子や、洗練されたインテリアを舞台のように仰ぎ見るかたちになります。 “風景”だった自然が“過ごす場”へと変わり、住まいと周辺環境の絶妙な距離感を演出します。
表情のある自然な雰囲気を意識
岡田さんはリビングキッチンも含め、インテリアの計画でも周囲の自然を意識したといいます。室内の壁は外壁と同じ白モルタルの掻き落としに。巾木を付けず、床との接点にわずかに隙間を設けたことで丁寧な収まりが空間の質を高めます。