「2021年のイラク訪問で自爆テロにあうところだった」…教皇が回顧録
フランシスコ教皇が来年1月に出版される回顧録『希望』でイラク訪問当時に自爆テロにあうところだったというエピソードを公開した。 17日(現地時間)の現地メディアによると、教皇は2021年3月にイラク・バグダッドに到着した後、自爆テロ犯2人がテロを狙っているという報告を受けた。教皇は「爆発物を体に巻いた若い女性が(イラク北部の)モスルに向かい、別のバン1台も全速力でそこに向かっていた」と伝えた。 フランシスコ教皇は同年3月5日から3泊4日の日程でイラクのバグダッド、ナジャフ、アルビル、モスルなど6都市を巡回した。カトリック史上初のイラク訪問だった。 教皇が日程を終えた後、教皇庁のセキュリティー担当者に自爆テロ犯がどうなったかを尋ねたところ、「彼らはもう存在しない」という答弁を聞いたという。教皇は回顧録で「イラク警察がテロ犯を阻止して爆破した」とし「衝撃的だった。戦争が招いた腐った果実のようだ」と振り返った。 モスルは2014ー2017年にスンニ派極端主義テロ組織イスラム国(IS)の最大拠点だったため、教皇の安全が懸念されていたところだ。教皇は当時、モスルを訪問し、「私たちは兄弟愛が兄弟殺害罪より長く続き、希望が憎悪より強く、平和が戦争より威力的であることを再確認する」と述べながら平和を訴えた。教皇は回顧録でモスルについて「歴史と伝統があふれ、多様な文明が行き交うところ」とし「アラブ人、クルド人、アルメニア人、トルコ人、キリスト教徒、シリア人など多様な文化の人々が一つの国で平和に共存する象徴」と評価した。 教皇は今回の回顧録で幼年期と宗教的寛容について強調した。特にカトリック、ユダヤ、ムスリムの友人に言及しながら「違いがあるのは当然のことで、私たちはお互い尊重する」とし、宗教についても「疎外された個人に慰めの話をする民衆のアヘンでない」とした。 教皇は今回の回顧録をイタリアの出版社と6年間共同執筆した。当初は死後に出版される予定だったが、カトリック教会の25年ごとの聖年が来年である点を考慮し、2025年1月14日に世界100カ国で出版することにした。