昨夏日本一の明秀日立、チャレンジャー精神や一発勝負へのこだわりを持ってインハイ予選へ
[5.27 関東高校大会Aグループ決勝 大成高 4-2 明秀日立高 ゼットエー] 関東の戦いで学んだことを夏に繋げる。明秀日立高(茨城1)は、2年ぶりの優勝をかけた関東高校大会Aグループ決勝で大成高(東京1)に2-4で逆転負け。試合後、萬場努監督は「素直に負けを認めます。良かったです。大成の方が」と敗戦を認めていた。 【写真】「マジで美人」「可愛すぎてカード出る」現地観戦した女子アナに称賛集まる 前日の準決勝の反省を活かしたこともあり、試合の入りは良かった。そして、前半15分、注目10番MF竹花龍生主将(3年)のスルーパスからFW保科愛斗(3年)が先制ゴールを挙げる。 序盤は球際の強度、勢いの部分でも相手を上回っていたが、大成の距離感の良さやひたむきさ、また3連戦の疲労もあってか、徐々に自分たちがやるべきことを出せなくなってしまう。 ゲームメーカーのMF阿部巧実(3年)は、「セカンドボールに関しては、ほぼ相手が回収してたし、自分の良さであるチャンスメークだったり、人を動かすところだったり、プレーでチーム引っ張るっていうところに関しては、力が足りなかったっていうか。大成高校さんの方が間違いなく強かったなっていうのはあります」と反省する。 主力DF川口嵐(3年)が、初戦で負傷離脱するアクシデント。エース竹花も復帰明けでまだベストの状態ではない。その中でチームの総合力が試されていた。だが、強度を特長とする明秀日立が後半も球際で苦戦し、守備面の甘さなどがあって3失点。FW柴田健成(3年)の3試合連続ゴールによって踏ん張り、最後まで諦めずに戦い続けたが、準優勝に終わった。 萬場監督は、「もっとチャレンジャー精神にこう富んだ集団じゃないと、明秀日立らしくないんじゃないかなと思うんで。そこは純粋に、今日は僕たちの方が甘かった」と指摘する。 そして、「(関東大会の)3試合、いずれもいいゲームだったなっていう風には言えない内容だったんで。ましては、インターハイはもっと プレッシャーとかもかかる中だから、ちょっとそのチーム全体の考え方とか、一発勝負へのこだわりみたいなのはもう一回、ちゃんと思い出さないといけない」と語った。 阿部は昨年、左SBのレギュラーとしてインターハイ優勝。昨年の日本一について、「初戦の相手が静学(静岡学園)で、3試合目の青森山田だったり、 優勝候補に勝てたっていうのは、自分たちの自信にも繋がったと思いますし、それでより1試合ごとに成長できた」と振り返る。昨年のチームから学んだことを伝えていかなければならない。 この日途中交代となった竹花、守備能力の高い最終ラインの柱・CB菅野一葵(3年)、また昨年のインターハイ優勝を先発として経験しているGK重松陽(3年)や柴田、阿部にはプレー以外の部分でチームを引っ張ることも求められる。この日、チームはトーナメント戦を勝ち抜くことの難しさも体感。この敗戦によって気づいて、改善して、前回日本一として注目されるインターハイ予選に向かう。 確かに、全国優勝したのは昨年のこと。ただし、その立場を自覚しながら戦うことが、苦しい時の力になるかもしれない。「やっぱり彼らの成長をうまく後押しする一つの要因だと思うんで、つま先立ちでも背伸びして、いいチームを作るってみんなで思ってくれればいい」と萬場監督。チームは、プレミアリーグEAST首位の流通経済大柏高(千葉)との練習試合を挟んでインターハイ予選初戦に臨む。 阿部は、昨年のインターハイ優秀選手に選出されたMF大原大和(現東京農業大)、MF吉田裕哉(現国士舘大)のボランチコンビの良さを「自分が出さないといけないんで」。そして、「チャレンジャー精神は忘れちゃいけないと思いますし、向かっていく側なんで。県大会の難しさは間違いなくあるんで、気を抜かずしっかりとやっていきたい」と誓った。まずは、関東大会で体感した強度やトーナメント戦の戦いを活かして一戦必勝。唯一チャンスのある全国連覇へ向けて、一つ一つ成長と白星を積み重ねる。