米中古住宅販売、6カ月ぶりに400万戸超え-高金利を渋々受け入れ
(ブルームバーグ): 11月の米中古住宅販売件数は6カ月ぶりに400万戸を上回った。住宅購入希望者が6%を超える住宅ローン金利を渋々受け入れていることがうかがえる。
統計発表元である全米不動産業者協会(NAR)のチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は発表資料で、「住宅販売の勢いは強まっている」と指摘。記者団との電話会見では、住宅ローン金利は依然として高いものの、消費者は現在の水準に慣れてきており、雇用創出も堅調だと語った。
11月の改善はさておき、中古住宅市場はここ2年、年間販売件数が400万戸前後で停滞しており、これは新型コロナウイルス流行前の4分の3程度に過ぎない。その一因として、所有者が既存の3%前後の住宅ローン金利を手放したくないために物件を売りに出しておらず、販売物件が記録的に不足していることが挙げられ、それが価格の高騰につながっている。
ユン氏は住宅販売件数が1995年以来の低水準だった昨年を下回るペースで推移していると指摘した。
売り手が現在の高い借り入れコストに適応するにつれ、今年に入って在庫は徐々にではあるが確実に増加し始めている。11月に供給が前月比で減少したが、この時期にはよくあることだとユン氏は指摘した。ただ、昨年11月と比較すると、供給は大幅に増加した。
値ごろ感
値ごろ感が依然として大きな問題となっている。販売価格の中央値は前年同月比4.7%上昇し、40万6100ドル(約6400万円)となり、11月として過去最高を記録した。連邦公開市場委員会(FOMC)は9月以来、政策金利を1ポイント引き下げているが、住宅ローン金利はまだ2021年末の2倍の水準にある。全米抵当貸付銀行協会(MBA)によると、少なくとも今後2年間は6%以上で推移する見通しだ。
MBAのデータによると、30年固定式の住宅ローン金利は12月13日までの週に6.75%となった。住宅ローン金利に影響を与える国債利回りは、FOMCが今年最後の会合で、来年の予想利下げ回数を減らしたことに反応し、18日に急上昇した。