教室内に再現した“ベルリンの壁”を破壊して学ぶ「世界史」 若手教師が目指す『記憶に残る授業』とは 【福岡発】
落書きした「ベルリンの壁」を破壊
生徒たちが当時に思いを馳せて落書きしたベルリンの壁が完成した。そして次の作業が始まる。 「今から、歴史の事実に則って壁を壊します。壁を壊した人々の思いとか東西ドイツがその後、どう経済状況が変わっていくのか、そんなところまで考えると深いんじゃないかと思います」と壁を壊す。生徒たちはそれぞれの思いで壁を破壊していった。 生徒の1人は「落書きを書いて自分の気持を表に出す。昔の人たちも、たまった気持ちを落書きで発散していたのかな」と破壊された壁を見詰めていた。 田中先生の授業について上智福岡中学高校の船橋巌校長は「学校の方針としても、何か体で感じられるような授業を作るように先生方にはお願いしている。教育なんてひとつのやり方なんて絶対ないわけで、いろんなかたちで最終的に社会に貢献するような良い人間を育てることが大事」と歓迎している。
「知的好奇心」に大きな影響
田中先生の記憶に残る授業への思いは、進路指導の場面でも表れている。親との3者面談もユニークで、生徒に進路についてプレゼンをさせるという。その結果、自分の将来を見つめ直す貴重な機会として生徒たちも真剣に向き合うことになるのだ。 「学校というのは、知識以外も感性であったり、それを活用したり、人と一緒にやる経験、自分自身に向き合う経験、こういうことがすごく大切」と田中先生は話す。 しかし、保護者として気になるのはやっぱり受験対策だ。実はベルリンの壁の授業を受けていたクラスは高校3年生で、その週末に大学受験を控えている生徒もいた。ただし、田中先生が担当する世界史の成績は、過去の授業や日本史や地理などの選択科目と比較しても遜色ない成績だという。当然、プリントを使った授業も並行しながら進めている体験型授業だが、学びに必要な知的好奇心に大きな影響があるのだ。 現在も九州の教育関係者のグループに参加し、生徒の記憶に残る授業をするにはどうすればいいか、模索する日々を送っている田中先生。次の授業は生徒たちにどんな記憶を残してくれるのだろう。 (テレビ西日本)
テレビ西日本
【関連記事】
- とべ動物園のアイドル「ピース」奇跡の25年間 手探りの人工哺育や命の危機を乗り越え…家族の一員として育てた男性
- 子どもが潜在能力を発揮するために最も大切な“習慣化“。自分を守るための嘘をつかせず、親は前向きな行動を促す
- 親は子に、上司は部下に絶対してはいけない“否定“。相手の本能に届き信頼関係を築ける簡単でポジティブな言葉を
- 積雪時の「歩き方・服装・靴底」を見直そう!転ばないコツを“雪道のプロ”が解説 店舗の「入り口」は要注意
- もうすぐクリスマス おもちゃの最新トレンドは?「たまごっち」から超絶進化!触れる!最新デジタルペット 卵からふ化する?子供と一緒に遊べる"懐かし&最新"オモチャが大人気・市場規模が拡大中