映画『プリシラ』ポスタービジュアル

　ソフィア・コッポラ監督最新作『プリシラ』（4月12日公開）より、予告編、ポスタービジュアルが解禁された。 【動画】14歳の少女がスーパースターと恋に落ちる！　映画『プリシラ』予告編 　本作は、世界が憧れるスーパースター、エルヴィス・プレスリーと恋に落ちた14歳の少女プリシラのたどる魅惑と波乱の日々を、プリシラの視点で繊細に美しく描く物語。 　シャネルやヴァレンティノといった一流メゾンが彩る甘美なシンデレラストーリーのなかに、コッポラ監督がこれまで描き続けてきた人間の孤独や疎外感といったビターなエッセンスを潜ませた緻密で繊細な本作は、「ソフィア・コッポラ　最高傑作」（Rolling Stone）、「First Loveの素晴らしさを描いてる」（Littie White Lies）と評価され、全米では昨年秋にA24が配給。そのファッション性と話題性で多くの若い女性客を魅了し、『ロスト・イン・トランスレーション』、『マリー・アントワネット』に次ぐ大ヒットとなった。 　主演のケイリー・スピーニーは、夢のような恋の恍惚（こうこつ）と切なさを経験していく少女の心の変遷と外見の変化を繊細な表情とたたずまいで表現し、第80回ベネチア国際映画祭最優秀女優賞を受賞。さらに第81回ゴールデングローブ賞主演女優賞（ドラマ部門）にノミネートされ、「驚くほどにすばらしい演技」（Rolling Stone）と絶賛されている。 　そしてプリシラだけが知る、魅力的で華やかだが、傷つきやすく大人になりきれないスーパースター、エルヴィスを演じたジェイコブ・エロルディは、「エルヴィスを演じきっている」（The Warp）と高い評価を受けている。 　音楽は、ソフィア・コッポラ監督の夫トーマス・マーズがヴォーカルを務めるポップロックバンド、フェニックス。本作を手掛けるにあたり、1950～70年代の影響を自分たちのサウンドに落としこみ、新しいものを作りあげたというフェニックスは「映画では当時の音楽も最近の音楽も使っている」と語っている。 　予告編は、スペクトラムの楽曲「How You Satisfy Me」が流れる中、エルヴィスの大邸宅グレースランドのカーペット、赤いルージュの唇、そしてプリシラの象徴でもあるつけまつげをつけるシーンから始まり、初恋の回想へとつながっていく。 　「エルヴィスは好き？」と声を掛けられたプリシラは、「もちろん」とほほえむ。そしてパーティーでエルヴィスと初めて出会い、「もっと君のことを教えて」と恋に落ちていく。そして「なぜ、うちの娘を？」と心配する父親をよそに、プリシラはセレブの華やかな世界に身を投じ、エルヴィスと結婚する。しかし、本来のエルヴィスの姿をより深く知るにつれ、「本当の彼を皆は知らない」と孤独を感じるように。さらにエルヴィスの浮気話に戸惑い、2人の溝は次第に深くなる。 　やがて彼の色に染まっていくことが幸せだったプリシラは、いつしか「自分の人生を歩みたい」という自分自身の気持ちに気づいていく―。 　コッポラ監督は、本作を手掛けた経緯について「プリシラの物語を初めて読んだとき、普通と全然違う状況なのに、こんなにも共感できることに衝撃を受けました。私たちは彼女をエルヴィスの隣にいる印象的な人物として見ているけれど、それ以上のことは知らない。私はもっと語るべきストーリーがあるはずだと感じたのです」とコメント。本予告編は、そんなコッポラ監督の想いが垣間見られるものとなっている。 　ポスタービジュアルは、プリシラとエルヴィスの結婚式を捉えたワンシーン。誓いのキスを交わす2人の上で、ブルーのタイトルロゴが美しく映える。そして横には、14歳でスーパースターと恋に落ち、セレブの世界に足を踏み入れ、華やかな日々を送っていた当時のプリシラの気持ちを表現した「恋と孤独で着飾っていた」というコピーが添えられている。 　実際の結婚式（1967年5月1日）でプリシラが着用したウェディングドレスは、デパートで購入した既製品だったことはアメリカでよく知られている。本作のドレスを制作する際は、コッポラ監督がシャネルの人脈を活用。衣装担当のステイシー・バタットが、シャネルとともにウェディングドレスを制作した。 　本作のウェディングドレスについて、パタットは「形は本物のドレスと同じです。ヴィルジニー・ヴィアール（2019年からシャネルのクリエイティブディレクター）の現代的なレース細工の影響を受けています」とコメント。コッポラ監督は「ドレスのお披露目の日はとても興奮しました。すべてハンドメイドのレースで、最高にゴージャスです。これに身を包んだケイリーには目を奪われました」と振り返っている。 　一方、エルヴィス役のジェイコブが結婚式で着用したタキシードは、イタリアのファッションブランド、ヴァレンティノとコラボした1着。今回の一流ブランドとのコラボについて、バタットは「目を見張るような出来栄えで、ふたつの老舗高級メゾンと仕事ができて、とても光栄です」と語っている。 　映画『プリシラ』は、4月12日より全国公開。