ギョーム・ニクルーが描く人間の狂気 SFシチュエーションスリラー『ザ・タワー』4月公開
ジェラルメール国際ファンタスティック映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭に出品された映画『La tour(原題)』が、『ザ・タワー』の邦題で4月12日に日本公開されることが決定。あわせて予告編とポスタービジュアル、場面写真が公開された。 【写真】SFシチュエーションスリラー『ザ・タワー』場面カット(複数あり) 本作は、“闇”に覆われた世界で極限の状況に置かれた人間たちの狂気を描くSFシチュエーションスリラー。『ストーン・カウンシル』や『この世の果て、数多の終焉』などで知られるギョーム・ニクルーが監督を務めた。 全てを飲み込んでしまう“闇”が特に大きな意味を持っている本作について、ニクルー監督は「これは恐ろしい出来事が起こるホラー映画だ。飢饉、殺人、性差別、カニバリズム、人種差別、同性愛嫌悪、拷問。現代のあらゆる暴力と恐怖の総合体かもしれない。今作で描かれているのは、相互扶助と分かち合いという楽観的なビジョンではない。むしろ、閉ざされた空間で互いを許容できない人間の冷酷な描写である。受け入れがたいものを探求する恐怖の映画である。臆病さと無力さの結果、個人が残忍になる映画だ」とコメント。さらに、「“闇”の存在はいかなる救済も贖罪も描いていないし、道徳心はなく、許しを考慮することなくあらゆる物の消滅を遂行する。自らの存在目的、頑なに破壊以外の何ものにも敬意を払わない。すべてを虚空に返すために」と語った。 ニクルー監督は今作での“闇”のことを光学的に直接観察できない正体不明の暗黒物質「ダークマター」と表現しており、この「ダークマター」は「ベンタブラック」という99%以上の光を吸収できる物質から着想を得ている。いわば、光を食い尽くす“闇”である。 公開された予告編では、闇に飲まれる人間や、狂気に陥る人間たちの様子が映し出されている。
リアルサウンド編集部