ブロッコリーの消費量が年々増加中…実は「すごく今っぽい野菜」と言えるワケ
「野菜のオールスター」に仲間入り
2026年度からブロッコリーが「指定野菜」に追加されることが、度々話題に挙がっている。 【写真】簡単そうに見えて「実はめんどくさい料理」ランキング…いちばん厄介なのは? 指定野菜とは消費量が多い、または増えることが見込まれる野菜で、現在はキャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ピーマン、レタス、たまねぎ、ジャガイモ、ほうれんそうの14種類が指定されている。 指定野菜の追加はじゃがいも以来52年ぶりというが、ブロッコリーもいわば「野菜のオールスター」に名を連ねることになった。 指定野菜に追加されると、価格が下がってしまった際に大規模な生産者に支払われる補助金が手厚くなり、安定した供給につながる。 総務省の家計調査によると、ブロッコリーは00年代に入ってから年々消費量が増え、2023年の一世帯当たりのブロッコリー購入量は4453グラムと、13年比で21%増にまで到達した。 トマトが昭和に入って日本人の食生活に定着したように、ブロッコリーを「食卓の顔」と認めるかどうかには、若干の世代間格差があるものの、指定野菜に追加されることに異論がある人は少ないだろう。 4月3日、PR TIMES主催の食イベント「おいしい博覧会」には、キユーピーや永谷園など、食品関連メーカー15社が出展した。イベント内では「半世紀ぶりの「指定野菜」! 今だからこそ知りたい、話題のあの野菜を美味しく美味しく食べる。ツウなブロッコリー展」と題し、シーズニングやソースなど、ブロッコリーに簡単なひと手間を加えるだけで本格的な一品に仕上げられる各社商品がピックアップされていた。
コスパ・タイパの時代に
筆者も幼少期の頃から20数余年来ブロッコリーを当然のように食べてきたが、かつての食卓を思い返せば、「ゆでてマヨネーズを付ける」「シチューの具に使う」くらいのバリエーションが常だったような気がする。 今では数えきれないほどの関連商品が発売され、本格的なイタリアンやフレンチレストランのレシピにも登場し、外食でも立派なスタメン入りを果たしている。たしかにブロッコリーはより身近な野菜になった。 品種改良や生産方法の改善が進むと同時に、われわれの食に対する意識の変化も、「ブロッコリーブーム」と言って差し支えない今を支えているのではないだろうか。ブロッコリーは「コスパ・タイパ」の時代を象徴する野菜かもしれない。 タンパク質の代謝に関わるビタミンB6などビタミンB群が豊富で、ボディメイクにうってつけの食材と言われている。大リーガー・ダルビッシュ有投手の「ゆでたまご・ささみ・ブロッコリー」で構成されたストイックな弁当を想起する人もいるだろう。 実際、前掲の美味しい博覧会(PR TIMES)の調査によると、〈「健康」「筋トレ」「ボディメイク」に気を遣うときに、野菜の中ではどの食材を積極的に取り入れますか。〉という質問で、回答者数1251のうち519と半数に迫る回答者がブロッコリーの名前を挙げた。 高い栄養価を誇りながら、レンジですぐに加熱できるのもタイパに優れている。根菜や葉物もレンジで仕上げられるワケだが、料理初心者には熱の通し具合が若干つかみづらい。ブロッコリーは素早く、何となくクタッとしたあたりで取り上げれば、失敗することはそうそうない。