山口氏再登板に期待も…公明の後継選び本格化、斉藤・岡本氏ら取りざたされるも衆目一致せず
公明党の石井代表が31日に辞意を表明し、党内では11月9日の新代表選出に向けた調整が本格化した。次期代表には、斉藤鉄夫国土交通相(72)や岡本三成政調会長(59)が取り沙汰されるものの、党内の衆目が一致しているとは言えず、一部には山口那津男・前代表(72)の再登板に期待する向きもある。
9月に就任してから1か月あまりで代表を退くことになる石井氏は、31日の党中央幹事会で「速やかに党再建に向けた体制を構築していただくようお願いする」と述べた。党内では次期代表として複数の名前が浮上しているが、党幹部は「どの候補にも一長一短があり、悩ましい」と語る。
斉藤氏は、選挙対策委員長や幹事長を務めた実績があり、党務に通じたベテランとして自民党とのパイプ役に推す声がある。ただ、岸田政権発足時の2021年10月から3年間、国交相を務めており、党務から遠ざかって久しい。山口氏と同世代のため、「世代交代から逆行する」との指摘も出ている。
米証券大手出身の岡本氏は、外務政務官や財務副大臣などを歴任し、9月に政調会長に起用された。政策立案能力が高く、「若手・中堅の筆頭格」としての評価があり、刷新感にも期待がかかる。もっとも、過去の要職は主に政府の役職で、党務経験の少なさから自民や野党との調整力が不安視されている。
山口氏への待望論は、党が重視する東京都議選や参院選が来年に控えているためだ。山口氏は、衆院選でも全国遊説に飛び回り存在感を示したが、代表復帰は過去に例がなく、山口氏本人も周囲に否定的な考えを示している。
人選は11月7日の党会合で提示される見通しだが、支持母体の創価学会も含めた調整は難航する可能性もある。