他府県からも注目 愛知・奥三河の奇祭「花祭」の魅力とは
参加することも保存と継承につながる!?
豊根村では継承者不足によりこの10年間で2か所の花祭が消滅した。近年、東三河地方の自治体合併構想もあり、人口の流出や高齢化の加速でますます花祭の開催が難しくなる可能性もある。 山之内さんもそれを懸念し、「私は豊根村上黒川花祭り保存会に入り、いかに継承していくか?いつも皆で考えています。花祭が存続する限り、撮り続けることはやめません」と語る。全国的にも存在する地域の祭事の担い手問題は、“奥三河の花祭”にも迫っている。 一方で、花祭は発展中の側面もある。奥三河以外に広がりを見せる例として、愛知県豊橋市で、豊根村からの移住者を起源に毎年1月4日に「豊橋花祭り」を開催。また、東栄町の御園花祭保存会と東京民族舞踊教育研究会や北多摩民族舞踊教育研究会との交流を契機に、1993年からは東京の東久留米市でも花祭が開催されている。今年は12月12日(土)。 愛知県の神事であり伝統芸能でもある「花祭」。私たちが知って、参加することも保存と継承につながるだろう。