円相場、対ドルで155円に向けて下落なら介入のリスク-BofA
(ブルームバーグ): 円がドルに対して最近急落したことで、155円に向かって下落すれば日本の当局が介入するリスクが高まっていると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストが指摘した。
山田修輔氏らストラテジストはリポートで、「ファンダメンタルズ面の新たな展開を伴わずにドル円相場が急激に155円に向かって動けば、財務省の介入を引き起こす可能性がある」と予想。「財務省がドル円の155円突破を許すなら、驚きだ」と続けた。
11日の外国為替市場で、ドルは一時153円29銭と1990年以来の高値を付けた。前日発表された米消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びを示し、日本の為替当局者からは円安を警戒する声が一層聞かれるようになっている。
日本が介入した後で、ドルが介入開始の水準へと再び上昇する場合には「さらに数発の介入」が続く可能性もあると、BofAは見込む。
BofAのストラテジストは、145円から150円の水準にドル円を押し戻す当局の取り組みは、一時的に円をそのレンジ内に収めることができるかもしれないが、「例えば米連邦準備制度が利下げ開始時期を年末へと一層遅らせれば、ドル円は7-9月には150円から155円のレンジにシフトしかねず、米国で利下げが見送られるなら160円に達するリスクもある」との見解を示した。
原題:BofA Sees Risk of Intervention If Yen Weakens Towards 155 Level(抜粋)
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Naomi Tajitsu