【独自・冤罪被害者側に密着】最高裁が初判断 「検察なめるな」発言など「特捜部取り調べ映像」提出命じる
■山岸さん側が提出求めた範囲「すべて認められた」
【山岸忍さんの代理人 中村和洋弁護士】「コチラが録音録画のビデオを直接見ないと、口調、態度そういうった非言語的な部分を判断できない、と主張している部分について全て認められました。 文書提出命令に関しては逆転勝訴と理解しています。 画期的で良い判断だと思います」 高裁の判断を覆した最高裁(第二小法廷・草野耕一裁判長)は決定の中で、「(山岸さんの元部下の取調べを行った)田渕検事の言動が非言語的要素も含めて正確に記録された録画部分は、その反訳や証言と比較して格段に多くの情報を含んでおり、より正確性が担保されていることが明らか」と指摘しました。
■山岸さん「無実の者を有罪にできるんです。検察は」
この決定に山岸さんは… 【中村弁護士】「『全部提出せよ』、という命令になりました!」 【山岸さん】「ありがとうございます!」 【中村弁護士】「今後これらの録音録画についても、提出されて、特に怒鳴ったり、机叩いたりしている場面も取り調べされることになります」 (Q国民には何を伝えたい?) 【山岸さん】「いつでもそういうふうな立場になる可能性があるということですよね。周りを恫喝して供述を捻じ曲げていくわけですから、無実の者を有罪にできるんです。検察は」 最高裁が下した史上初の判断。 特捜部の取り調べの実態が国民の目に触れる日が近づいています。
■国家賠償請求に影響与える別の司法判断
これまで取り調べの映像は48分しか公開されていなかったのですが、それが新たに17時間分の映像が裁判で提出されることになります。この影響について菊池幸夫弁護士は次のように指摘します。 【菊池幸夫弁護士】「影響は大きいと思います。(もともとは)国家賠償という大きな、原告が国に対して損害賠償を求める裁判なので、この裁判の中で国が持っている録音・録画という資料を提出しろと(裁判所が)「命令」できる。 これに対して「裁判所が提出する、しない」の「命令」に対しては、独立に異議申し立てができる。これが最高裁判までいったというのが、きょうの出来事です。 だから本体(国家賠償請求)の判断はこれからなんです。
■検察庁特捜部の持つ資料を「全部出せ」は画期的
ただ今までは文書提出命令、相手が持っているものを出してくれと求めても、高裁の判断のように非常に狭い範囲でしか認められないという傾向がけっこうあったんです。 特に検察庁特捜部が持っている資料については。それを最高裁が『全部出してください』と判断したのは、かなり画期的だと思います。 そこの中に原告の山岸社長が求めている資料があるわけですから、裁判に与える影響は相当大きいと思います。 原告に有利に働く可能性は高いと思いますね」 (関西テレビ「newsランナー」2024年10月17日)
関西テレビ