最優秀男優賞の吉沢亮「今年30歳になる男が中学生をやるっていうのが大変でした」<TAMA映画賞授賞式>
吉沢亮と藤竜也が「第16回TAMA映画賞」で最優秀男優賞を受賞。11月30日に都内にて開催された授賞式で喜びを語った。 【写真】トロフィーを手に緊張しながら話す吉沢亮 ■吉沢亮、TAMA映画賞に「縁を感じております」 同映画賞は、多摩市および近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力あふれる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝を込めて表彰するもの。 「めっちゃ緊張しますね…」と登壇した吉沢は、「こんなにすてきな賞を頂けて、うれしく思います」と喜び、「ちょうど6年前にTAMA映画賞で最優秀新進男優賞を頂きまして、特別な思い出があります。30歳になる年に頂けたということで、すごく縁を感じております」と声を弾ませた。 ■中学生役は「めちゃくちゃ大変でした」 映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」では、耳の聞こえない両親の下で愛情を受けて育った五十嵐大を演じた。 本作では、思春期の中学生からアイデンティティーを確立した社会人まで長い年月での成長を描いているが、吉沢は「今年30歳になる男が中学生をやるっていうのがめちゃくちゃ大変でした」と告白。呉美保監督にも「声を高く」や「今のちょっとおじさんかも」などと言われていたそうで、「ちょっとよく分かんないなと思いながら全力でやらせてもらいました」と明かし、会場の笑いを誘った。 手話も含めた演技については「手話って眉毛の動かし方だったりで文法が変わるというか。同じ手話をやっていても、眉毛を上げることによって疑問形に変わったり。手話でのコミュニケーションはすごく表情が豊かなんです」と説明。 その上で「僕が演じた五十嵐大は、僕のイメージでは表情に出づらい、寡黙なイメージでやっていたので、自分が演じているお芝居と、手話をする上での表現が矛盾する瞬間があって。それが大変でした」と振り返った。 今後の抱負を「今までと変わらず、これからも自分が好きな作品、自分が愛せるような役をこれからもやっていきたいと思っています」とコメントした吉沢は、「頑張ります! よろしくお願いします」と意気込んだ。 ■藤竜也、最優秀主演男優賞に喜び 一方、藤はトロフィーを見つめながら「うれしいです。選んでくれてありがとうございます」と感謝。「皆さんバリバリのトップランナーたちと混ぜていただいて、私はまだ現役でいるんだなと思うとうれしいです」と喜びを口にすると、会場からは大きな拍手が送られた。 ほか、最優秀作品賞に「夜明けのすべて」「ぼくのお日さま」、特別賞に「ぼくが生きてる、ふたつの世界」の呉美保監督およびスタッフ・キャスト一同、「ルックバック」の押山清高監督およびスタッフ・キャスト一同、最優秀女優賞に上白石萌音、河合優実、最優秀新進監督賞に近浦啓監督、山中瑶子監督、最優秀新進男優賞に松村北斗、齋藤潤、最優秀新進女優賞に森田想、早瀬憩がそれぞれ受賞した。 ◆取材・文=山田果奈映