ヘルメット、どうかぶる? 雨粒から視界守るには? 雨の日の自転車は危険がいっぱい 安全に運転するポイントを教わった #こちら373
2023年4月に着用が努力義務化された自転車ヘルメットを巡り、南日本新聞に「雨の日の着用方法を知りたい」と声が寄せられた。道路状況が悪くなる雨天時は視界の確保も大切になる。安全に役立つグッズや運転方法を取材した。 【写真】つば付きヘルメットを説明する冨ケ原多聞店長=鹿児島市平之町のじてんしゃのトミハラ
今春、ヘルメットを購入した鹿児島市の40代男性会社員は、レインコートのフードをヘルメットの上からかぶると、入らなかった。ヘルメットは横幅が調整できるタイプ。広げるとレインコートの上から着用することができた。男性は「頭が大きい人や厚めのレインコートの場合、着用は難しいのでは」と話す。 鹿児島市平之町のじてんしゃのトミハラの冨ケ原多聞店長は、つば付きタイプのヘルメットを薦める。上からレインコートを着た際、雨粒が目に当たりづらく、風圧でフードが脱げるのを防ぐ効果もある。「最近はヘルメット対応のレインコートも出ている。ヘルメットは頭の大きさに合うよう必ず試着してほしい」 ハンドルに傘を固定する傘スタンドも人気という。片手運転せずに傘を差せ、雨や紫外線を避けるのに役立つが、都道府県によっては使用が禁止されている。 道交法や鹿児島県道交法施行細則には、傘スタンドの具体的な明記はない。ただ視野を妨げ、安定性を失う方法での運転は禁じられている。傘が歩行者に接触すると、危険行為とみなされる可能性がある。傘スタンドでの傘差し運転について、県警交通企画課の森山英明理事官は「風圧で不安定になったり、周囲が見えにくくなったりして歩行者にけがをさせる恐れがある。推奨できない」とする。
同市郡元2丁目の中郡サイクルショップでは、溝がすり減ったタイヤでのスリップを防ぐため、この時季にメンテナンス需要が高まる。稲留一丸店長は「点字ブロックや白線、道路脇は滑りやすく注意が必要」と強調。たたんだ傘を固定する傘ホルダーの注文も増えるという。傘が車輪に巻き込まれるのを防げ、「自転車から降りた後、傘を差す人にお薦め」と説明する。 森山理事官は「雨の日は車での移動が増え渋滞が起きやすくなる。危険が増すからこそ、ヘルメットは必ず着けてほしい。時間にゆとりを持って出発することも心がけて」とアドバイスした。
南日本新聞 | 鹿児島
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