ALSI、ゼロトラストに基づいた安全な学習環境の構築をサポート
既に複数の教育委員会がALSIのソリューションを導入し、次世代校務DXに備えたセキュリティ対策を講じている。同社ではソリューションの一括導入もサポートしているが、限られた予算の中でそれぞれの教育委員会や学校のニーズに合った製品の導入から始める現場も少なくないという。 橋本氏は「ゼロトラストはあくまで戦略であって、データへの侵害を守ることが目的。データはサーバーや端末にあるので、EDRやアンチウイルスソフトなど、端末を守るためのソリューションを最初に導入するケースが一般企業を含めて多い」とし、「教育現場でも、校外で端末を利用するケースが増えているため、EDRの導入を検討する学校が多い」という。 品川区教育委員会では、区内全ての小・中学校の児童・生徒および教員に対して2万4500台の「iPad」を配布。そのセキュリティ対策として、InterSafe GatewayConnectionを導入した。 同区が配布した端末は、LTEとWi-Fiを切り替えて通信できることから、ネットワーク環境を問わずに不適切なウェブサイトへ同一のポリシーでWebフィルタリングができる同ソリューションを採用したという。加えて、ウェブ閲覧の利用時間の制限や曜日ごとの詳細なスケジュール設定ができることも採用の決め手だった。 同区では、同ソリューションを導入したことで、児童・生徒とその保護者が安心して端末を活用できているという。また、Webフィルタリングは教育委員会で規制するカテゴリーを設定し、学校ごとに必要なものがあれば申請・解除できる体制を整えている。iPadの導入に合わせて、学校専用ヘルプデスクを設置したことで、これまで3~4日かかっていたアクセス制限の解除が、1日前後で解除できるようになり、運用のスピードも好評だという。 千葉県君津市教育委員会の教育センターでは、個人情報漏えいの対策としてInterSafe FileProtectionを導入した。市内の小・中学校合わせて27校で約600人の教員が利用しているという。 同センターの担当者は、InterSafe FileProtectionについて「該当フォルダーにファイルを入れるだけで自動的に暗号化される」という運用のしやすさを評価している。また、ファイルの拡張子が変わらず、アイコンの見た目に鍵マークがつくため、暗号化を意識することなく安全にファイルを利用できる利便性の高さもポイントだったという。 ALSIの特徴として橋本氏は、「製品を導入した後のサポートが手厚いこと」と強調する。Webフィルタリングサービスを導入した現場で多く見られるトラブルとして、授業で利用したいサービスまでアクセス制限されることが多いという。その際は特定のウェブサイトを制限対象から除外する作業が必要になるが、時間を要してしまうなど課題があった。 同社では現場から問い合わせがあった場合、社内の環境で調査・分析し、トラブルの解決策を提示するなど、きめ細かなフォローを行う。「運用の部分は教員やICT支援員にとって負荷が重く、対応件数も多い。この作業を当社でサポートしている点が評価につながっている」のだという。 最後に「NEXT GIGA」への展望を尋ねると、橋本氏は2023年に発表したパーパス「ITと応えるチカラで、カスタマースマイルを拡げていきます。」を指し示しながら、「パーパスの実現に向けて、セキュリティ製品の導入や運用、サポートを通じて(お客さまに)満足していただけるように、さまざまな課題に対応できる体制を強化している。学校では大量の端末を活用しているため、特定のサイトはアクセスしたい、運用をしやすくするためのルールや設定を見直したいといった課題にも迅速に対応していく必要がある。こうした活動を通じて、生徒が安心して学習でき、教員、保護者の方も笑顔になれるサービスを提供していきたい」と展望を明かした。