伊藤蘭、新たなステージへの幕開けとなったプレミアム・ライブ『Don’t Stop The Music!』【オフィシャルレポート】
昨年、デビュー50周年を迎えた伊藤蘭の51年目に向けての新たなステージとなる『伊藤 蘭 Special Premium Live ~Don’t Stop The Music!~』が、5月29日、EXシアター六本木にて開催された。 【全ての画像】『伊藤 蘭 Special Premium Live ~Don’t Stop The Music!』ライブ写真ほか(全16枚) 昨年は伊藤がキャンディーズとしてレコード・デビューしてから50年の節目にあたる年とあって、全国6都市7会場で『伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~』を開催。ことにデビュー日翌日に開催された9月2日の東京国際フォーラム ホールAでの公演は、「Celebration day!」と名付けられ、スペシャルなメニューでの特別なライブとなった。大晦日には実に46年ぶりとなる NHK『紅白歌合戦』に出場し、往時からの熱狂的なファン100人以上とともに白熱のステージを繰り広げたことも記憶に新しい。 そんなプレミアムな年を超え、ソロ・シンガー伊藤蘭として新たなステージの幕開けとなったのが、この日だけのスペシャル・ライブ。当日は、前述の国際フォーラムの公演を収録したブルーレイの発売日でもあった。また、今回の公演のみ客席からの紙テープ投げが可能だと事前に告知されており、否が応でも期待は高まる。 オープニング、野田晶デザインによる、黒のベルトをあしらったオフホワイトの衣装で登場した伊藤は、冒頭からセカンド・アルバム『Beside you』収録のファンキーなナンバー「ICE ON FIRE」でスタート。2曲を歌い終えると、最初のMCに。 「皆さんこんばんは! お久しぶりでした」 この日、5月29日は5年前に伊藤がソロ活動をスタートさせる契機となったファースト・アルバム『My Bouquet』の発売日。ソロ・デビューにあたっては気恥ずかしかった思いもあったそうで、ここまで長く続けるとは思わなかった、と本音を披露。今も変わらぬ声援を送るファンに「私が不意に再登場して、皆さんをお忙しくさせてしまいました。でも楽しく今を生きましょうね。ラン活もよろしく!」と挨拶し、ソロ作品から3曲を披露。井上陽水作の「LALA TIME」をスツールに座って歌い、続けて「なみだは媚薬」を歌い終えると一旦袖に去り、演奏終了とともに、シャイニーなシルバーのワンピースに着替えて登場。 今回は冒険的なこともやってみたい、ということで、キャンディーズの名曲の中からリアレンジを施すという初の試みが行われた。 「その犠牲になった曲は、(吉田)拓郎さんの2曲です(笑)」 ということで、ロック・テイストにアレンジされた「アン・ドゥ・トロワ」と、ブギのリズムを取り入れた「やさしい悪魔」を歌い、ここからはバンド紹介に続いて恒例のキャンディーズ・ゾーン。 バックを支えるのは、佐藤準(音楽監督・key)、土方隆行(g)、笹井BJ克彦(b)、そうる透(ds)、notch(per)、竹野昌邦(sax)、二宮孝裕(tp)、渡部沙智子(cho)、高柳千野(cho)と、強靭なサウンドを生み出す凄腕メンバーたちが今回も集結。これに続き50周年コンサートのエピソードを語り、「春一番」をスタートにキャンディーズ・ナンバーが次々と放たれる。 お待ちかねの紙テープタイムは、12曲目「哀愁のシンフォニー」。この曲はキャンディーズ時代のステージで、サビの箇所で一斉に紙テープが投げられることでも有名な曲。キャンディーズの解散から数年後、日本のライブ会場で紙テープ投げは禁止となってしまったため、当時を知るファンにとっても、また伊藤自身にとっても久しぶりに見る光景だろう。イメージカラーである赤のテープが大量に乱舞する圧巻のステージとなった。 ここで20分の休憩を挟み、後半戦はネイビーブルーのエアリーなドレスに着替えた伊藤が再び登場し「愛と同じくらい孤独」からスタート。今回のライブでは、これまで後半に配されていたキャンディーズ・ナンバーが中盤に置かれ、前後をソロナンバーで固めたセットリストとなっている。すでに3枚のアルバムを発表してきた伊藤にとって、51年目からはソロ・シンガー伊藤蘭の魅力を観客に伝えていきたい、そんな思いがあるのだろう。トータス松本と奥田民生の共作「春になったら」や、シティポップ風のサウンドが話題を呼び、アナログシングルも発売された「Shibuya Sta. Drivin' Night」を歌い終えた伊藤は、8月にリリースされる安部純作詞・作曲による新曲「風にのって~Over the Moon」を一足早く初披露した。昨年発売された初のエッセイ『Over the Moon~わたしの人生の小さな物語』と同じタイトルが冠されており、新たな気持ちでこれからの歌手活動を継続していこうという伊藤の思いが詰まったナンバーでもある。そしてラストは近年のライブには欠かせない「美しき日々」で幕を閉じた。 鳴り止まぬアンコールの声に応えて、伊藤はシアーなブラックトレンチコートにコンサートTシャツで再登場。アグレッシヴなロックナンバー「恋するリボルバー」を披露したのち、8月からスタートするコンサートツアーに向けての意気込み、そして改めて今日、この会場に集まってくれた多くのファンへ感謝の思いを述べ、最後のナンバー「明日はもっといい日」でプレミアムなステージを締め括った。 伊藤蘭の2024年のコンサートツアー『伊藤 蘭 ~Over the Moon~ コンサートツアー 2024-2025』は8月25日(日) の大阪フェスティバルホールから始まり全国9カ所を回る。ファイナルとなる東京公演は2025年1月25日(土) の東京ガーデンシアター(有明)で開催。ソロ5年目を迎え、さらにパワフルになった伊藤蘭のステージが今から楽しみだ。 <ツアー情報> 『伊藤 蘭 ~Over the Moon~ コンサートツアー 2024-2025』 ■大阪公演 2024年8月25日(日) 大阪フェスティバルホール 開場 17:00 / 開演 18:00 ■仙台公演 2024年9月8日(日) 仙台サンプラザホール 開場 16:00 / 開演 17:00 ■埼玉公演 2024年9月19日(木) 大宮ソニックシティ 大ホール 開場 17:30 / 開演 18:30 ■名古屋公演 2024年9月23日(月・祝) 愛知県芸術劇場 大ホール 開場 17:00 / 開演 18:00 ■福岡公演 2024年9月28日(土) キャナルシティ劇場 開場 16:00 / 開演 17:00 ■熊本公演 2024年9月29日(日) 熊本県立劇場 演劇ホール 開場 16:00 / 開演 16:30 ■京都公演 2025年1月12日(日) ロームシアター京都 メインホール 開場 16:00 / 開演 17:00 ■神戸公演 2025年1月13日(月・祝) 神戸国際会館こくさいホール 開場 16:00 / 開演 17:00 ■東京公演 2025年1月25日(土) 東京ガーデンシアター(有明) 開場 16:00 / 開演 17:00 【出演】 伊藤蘭 バンド:佐藤準(音楽監督・key)、土方隆行(g)、笹井BJ克彦(b)、そうる透(ds)、notch(per)、竹野昌邦(sax)、二宮孝裕(tp)、渡部沙智子(cho)、高柳千野(cho) ※以下の公演では、バンドメンバーの変更がございます。 ・8月25日(日) 大阪フェスティバルホール、9月23日(月・祝) 愛知芸術劇場 大ホール Guitar:是永巧一→江渡大悟 ・9月8日(日) 仙台サンプラザホール Sax:竹野昌邦→庵原良司 ・9月28日(土) キャナルシティ劇場、9月29日(日) 熊本県立劇場 演劇ホール Chorus:渡部沙智子→鈴木佐江子 Sax:竹野昌邦→庵原良司 <リリース情報> ■シングル『風にのって~Over the Moon』 2024年8月21日(水) リリース ●完全生産限定盤『風にのって~Over the Moon <Special Edition>』 ・伊藤蘭ロゴTシャツ(キャンディーズ後期ロゴ・デザインをオマージュ/シルバープリント/サイズ:XL) ・伊藤蘭ロゴ・ステッカー付 ・プレミアムなBOX仕様(タテ・ヨコそれぞれ260mm豪華BOX) ●通常盤初回仕様『風にのって~Over the Moon』 ・標準ジュエルケース仕様 ・伊藤蘭ロゴ・ステッカー付(初回生産分のみ) 【収録曲】(限定盤 / 通常盤共通) 1. 「風にのって~Over the Moon」作詞・作曲:安部純 2.「大人は泣かない」作詞:jam 作曲:IKEZO 3.「風にのって~Over the Moon」(オリジナル・カラオケ) 4.「大人は泣かない」(オリジナル・カラオケ) ■Blu-Ray『伊藤 蘭 50 th Anniversary Tour~Started from Candies~』 初回生産限定盤/通常盤 発売中 【収録内容】 ・OPEN SESAME ・JUPITER ・PLAY THAT FUNKY MUSIC ・春一番 ・Dandy ・Shibuya Sta. Drivin’ Night ・春になったら ・明日はもっといい日 ・FUNK不肖の息子 ・キャンディーズ1676日(インターミッション/ライブCDは収録なし) ・SUPER CANDIES ・ハートのエースが出てこない ・その気にさせないで ・危い土曜日 ・年下の男の子 ・やさしい悪魔 ・あなたに夢中 ・どれがいいかしら ・哀愁のシンフォニー ・悲しきためいき ・暑中お見舞い申し上げます ・微笑がえし ・恋するリボルバー ・美しき日々 ・かーてん・こーる ・ダンシング・ジャンピング・ラブ ・さよならのないカーニバル ・ネガフィルムの青空 ・HELLO!CANDIES(ボーナストラック/2023年8月19日 KAAT神奈川芸術劇場/ライブCDのみ収録) 収録:2023年9月2日 東京国際フォーラム ホールA