悩み相談】「スマホ使いすぎ!」注意したら、逆ギレされた… 「ビリギャル」小林さやかさんの答えは?
信頼関係を築いてから
子どもに対してはまず、スマホを見過ぎたらなぜダメなのかをきちんと話し合ったほうがいいと思います。なぜそれをやめさせたいのか、なぜ勉強してほしいのか。忍耐強く、子どもが納得できる説明をする必要があります。 子どもって、親が思う以上に論理的で、原因と結果がつながっていないと「は? なんで?」と反抗して言うことを聞きません。私も思春期のころは明確な理由がわからなかったから、勉強しなかったし、校則も守らなかった。でも、大人になった今なら理由がわかるし、「なんだ、あのときだってこうやって言ってくれればわかったのに」と思うわけです(笑)。大人だって、精神論だけで雑な指示を出してくる上司がいたら最悪だと思いますよね。一言で言うなら、「子どもをなめんな」ってこと。子どもをもう少し対等な人間として扱って、信頼関係を築いてほしいです。 「YOUメッセージ」と「Iメッセージ」って知っていますか? 前者は「YOU=あなた」が主語になっているもので、例えば「あなたは勉強するべき」とか、ちょっと押し付けがましいメッセージになります。そうではなくて、子どもに伝えたいのは「I=私」が主語になった、お母さんの主観的なメッセージです。「私は勉強したほうがいいと思う。なんでかっていうと……」と、お母さんの個人的な意見でいいので、理由と願望を伝える。このIメッセージのキャッチボールが日頃からできていれば、親子間に信頼関係ができます。YOUメッセージが刺さるようになるのは、この信頼関係ができてからです。信頼関係ができていれば、ちょっとした言葉もちゃんと子どもに刺さるようになります。
プロフィール
小林さやか(こばやし・さやか)/1988年、名古屋市生まれ。中学・高校でビリを経験。素行不良で何度も停学になり、高校2年生のときの学力は小学4年生のレベルで偏差値は30弱だったが、塾講師の坪田信貴氏との出会いを機に大学受験を目指す。その結果、1年半で偏差値を40上げて慶應義塾大学に現役合格を果たした。その経緯を描いた坪田氏の著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』は120万部を超えるミリオンセラーとなり、映画化もされた。大学卒業後はウェディングプランナーの仕事に従事した後、「ビリギャル」本人として講演や執筆活動を行う。2021年、聖心女子大学大学院文学研究科人間科学専攻教育研究領域博士前期課程修了。22年9月より米国コロンビア大学教育大学院に留学中。近著に『ビリギャルが、またビリになった日 ─勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで─』(講談社)がある。
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