脚本家・山田太一さんが89歳で死去 高倉健さん主演『チロルの挽歌』が追悼放送へ
脚本家の山田太一さんが11月29日に亡くなったことが、本日12月1日に報じられた。 【写真】山田太一さんの小説をアンドリュー・ヘイ監督が再映画化した『異人たち』ポスター 山田さんは1958年に松竹大船・演出部に入社。木下惠介監督に師事し、1965年に退社した後はフリーのドラマライターとして活躍。『岸辺のアルバム』(1977年/TBS系)、『想い出づくり。』(1981年/TBS系)、『ながらえば』(1982年/NHK)、『早春スケッチブック』(1983年/フジテレビ系)『ふぞろいの林檎たち』(1983年/TBS系)など、紹介しきれないほどの名作を世に残した。 1987年に出版された長編小説『異人たちとの夏』(新潮社刊)は第1回山本周五郎賞を受賞。本作を原作としたアンドリュー・ヘイ監督作『異人たち』が、2024年に公開されることも決定している。 『ふぞろいの林檎たち』に出演した俳優の中井貴一や手塚理美、『悲しくてやりきれない』(1992年/TBS系)出演の役所広司、『五年目のひとり』(2016年/テレビ朝日系)出演の渡辺謙ら多くの著名人が追悼のコメントを寄せている。 NHKでは、山田さんをしのんで、1992年4月11日、18日に放送された脚本作『チロルの挽歌』の追悼放送を決定。『チロルの挽歌』は、北海道の雄大な四季を背景に二人の男と一人の女を描いた骨太な人間ドラマ。高倉健さんが主演を務めている。 『チロルの挽歌』は、12月4日23時30分より前編、24時59分から後編が、NHK BSにて放送される。 「死」というものを見つめ続け、心の喪失と再生を描き続けていた山田さん。約10年ほど前、私が前職の『映画芸術』時代に原稿のやり取りをした際の、若輩者にもかかわらず、ものすごく丁寧で穏やかな言葉遣いがずっと心に焼き付いている。
リアルサウンド編集部