北陸 3か月予報 季節の歩みは概ね順調 降水量はほぼ平年並でも短時間強雨には注意
春は強風の時期
春は、穏やかなイメージとは裏腹に、風は思いの他強く吹くことが多くなっています。福井・金沢・富山・新潟の4地点に関して、毎正時の観測データから風速8m/s以上を観測した回数を月別に集計してみました。 対象の年は、北陸地方への台風の接近(台風の中心が新潟、富山、石川、福井のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合)が1年を通してゼロとなった2020年の事例です。 その結果、4県の合計では3月が最も多く136回となりました。以下多い順に2月、4月となり、この時期は平均的に風が強く吹いていることがお分かり頂けるでしょう。
春は黄砂が飛来しやすい時期
黄砂は、図に示すように4月を中心とした3月~5月の春の時期に最も飛来しやすくなっています。低濃度であれば自動車や洗濯物に汚れが付着する程度にとどまりますが、ごくまれに高濃度のまま飛来すると、視程の悪化により大規模な交通障害をもたらすことがあります。また、人が黄砂を吸い込むと、花粉症の症状が悪化したり、呼吸器疾患をおこすことがあるなど、人の健康面にも悪影響を及ぼす可能性があることも指摘されています。 黄砂の飛来が予想される場合には、ほとんどの場合、事前に気象情報などで注意喚起がなされます。外出の際は、マスクを着用するなどして、吸い込まないようにしっかり対策をしましょう。
気温(寒暖)差・乾燥(火災)・花粉(スギなど)にも注意
春は、1年で最も気温差(寒暖差)が大きく、「1日の中での朝晩と日中との気温差」「日毎の最高気温の気温差」が大きくなる日が現れやすい時期となっています。更に、気圧配置によって、最高気温や最低気温の出現する時間帯が、必ずしも日中や朝晩になるとは限らないケースもあります。天気予報では、1時間毎の時系列天気や予想気温グラフ等(北陸の各市町村毎に閲覧可能です)もチェックしながら、服装選びの参考にするのも良さそうです。 北陸4市の「日最小相対湿度」の観測史上最も低いランキングをみると、福井・金沢・富山・新潟の4市全てで、トップ10は3月~5月の春の期間に観測されています。中でも、福井はトップ10全ての湿度が10%未満となった他、金沢は2005年4月6日に日最小相対湿度が4%という記録を観測しています。この時期は、暖房の使用頻度は徐々に減っていきますが、空気の乾燥や強風が火災発生件数を多くする一因になっていると考えられ、火の取り扱いには最も注意が必要な時期と言えそうです。 最後に、花粉が飛びやすい条件は「晴れて気温が高い日」「空気が乾燥して風が強い日」「雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いた後」等とされています。このような天気が予想される場合には、「マスクやめがね等を着用する」「屋外作業をした場合には、衣服に付着した花粉を払い落とす」「ふとんや洗濯物の外干しをする際は、室内に花粉を持ち込むことになりますので極力避けるようにする」等の対策をしっかりしていきましょう。
日本気象協会 北陸支店 河原 毅