ボンズユースコーチを中学校に派遣 福島県郡山市の部活動地域移行モデル事業 安積中でスタート
福島県郡山市の安積中で14日、バスケットボール男子Bリーグ2部の福島ファイヤーボンズユースチーム指導者を中学校の部活動に派遣する市のモデル事業が始まった。休日の部活動を地域の団体やクラブなどに委ねる「地域移行」を推進する狙い。技術指導に不安を持つ顧問の負担軽減や、教員の働き方改革につなげる。 ボンズのU12、15でコーチを務める久冨貴臣さん(30)が指導した。男子バスケットボール部の1、2年生23人にアイスブレイクやミニゲームなどを交え、ドリブルやシュートの基礎を教えた。「自分に協力できることがあれば、頑張っている子どもたちに応える環境をつくりたい」と意欲を語った。 今年同校に赴任し、顧問に就任した堀越慶さん(29)の専門は卓球で、バスケットボールは未経験だった。チームを勝たせたい気持ちがある中でシュートのこつなどを教えられないもどかしさがあったと振り返る。これまでは独学で動画を見るなどして、体力向上法や筋力トレーニング法を伝えていた。パスなどの専門的な練習は生徒に委ねていた。「実践的な指導で勉強になった。こうした取り組みが広がれば多くの先生にとって助けになると思う」と強調した。
参加した関根丞真(しょうま)部長(2年)は「教えてもらった基礎を伸ばし、大会では1試合でも多く勝ちたい」と笑顔を見せた。佐久間一晃校長は校内の全ての部活動で、専門的な指導ができる教員をそろえる難しさを指摘する。その上で、「地域のプロスポーツチームの指導者から教えてもらえるのは、教師と生徒にとって最高の学びの場となる」と期待した。 同校では2月末までの全10回、ボンズのユースコーチによるモデル事業が行われる。 (郡山版)