火野正平さん死去 75歳 所属事務所が発表「穏やかな最期でした」
名脇役として数々の作品に出演した俳優の火野正平(ひの・しょうへい、本名・二瓶康一=にへい・こういち)さんが14日に死去した。75歳。所属事務所が20日、公式ホームページで発表した。ホームページでは「4月より持病である腰痛の治療に励んでおりましたが 夏の腰部骨折を機に体調を崩し最期まで仕事復帰を願っておりましたが叶いませんでした。自宅で家族に見守られ 穏やかな最期でした」としている。 【写真】ライブでの火野正平さん 火野さんは、最近では、宮﨑駿監督の最新アニメ映画「君たちはどう生きるか」(23年)で、主人公と対峙(たいじ)する大叔父役の声を担当。24年は映画「鬼平犯科帳 血闘」、俳優・宇野祥平と宅配ドライバーの親子役を好演した映画「ラストマイル」(公開中)などに出演するなど、晩年も精力的に俳優活動を行っていた。 12歳から劇団「こまどり」に入り、62年にフジ系ドラマ「少年探偵団」に出演。73年、NHK大河ドラマ「国盗り物語」の豊臣秀吉役に抜てきされたことで注目を集め た。その後も「新・必殺仕置人」などの時代劇や、古谷一行さんと木の実ナナのコンビで知られる「混浴露天風呂連続殺人」シリーズなどの2時間ドラマに多数出演。渋い声と味わい深い演技で名バイプレーヤーとして活躍した。 俳優としての活動と並んで知られたのが「プレーボーイ」としての顔だった。かつて数々の女性たちと浮名を流し、「昭和の色男」「元祖プレイボーイ」などの“異名”も。女性との関係を隠すことなく、堂々と交際を宣言し、ワイドショーを騒がせた。 2011年からは、NHK BSプレミアムの旅番組「にっぽん縦断 こころ旅」に出演した。相棒の自転車・チャリオに乗って、視聴者から寄せられた手紙に書かれた「こころの風景」を訪れ、日本列島を縦断。自然体の人柄で多くの視聴者を楽しませた。 一方で24年4月に同番組サイトは、火野さんの持病の腰痛が悪化したため、「2024春の旅」のロケを中止すると発表。さらに、9月には「春から腰痛の治療を行っていた旅人の火野正平さんについて、このたび所属事務所より『骨折したため、引き続きの治療が必要』との連絡をいただきました」と説明し、現在放送中の「2024秋の旅」は、代役を立て放送していた。 また、77年から歌手としても活動。23年には14年ぶりの新曲「あかんたれ」を発売し、自身初の全国ライブツアー(東京など5都市巡演)を開催した。 所属事務所コメント 弊社所属俳優 火野正平が令和6年11月14日享年75にて逝去いたしました 4月より持病である腰痛の治療に励んでおりましたが 夏の腰部骨折を機に体調を崩し 最期まで仕事復帰を願っておりましたが叶いませんでした 自宅で家族に見守られ 穏やかな最期でした 生前のご厚誼に深く感謝するとともに 葬儀は家族葬にて済ませましたこと 謹んでお知らせ申し上げます 長らくこのお仕事に携わり 関係の皆様には大変お世話になりました 重ねて御礼申し上げます 応援してくださった皆様にも 心から感謝申し上げます この訃報にて 弊社とご家族からのお知らせとさせていただき どうか静かに見送らせてください
報知新聞社