若者が「国産アニメの街」無錫へ アニメ展で観光と文化を融合
【東方新報】中国では二次元文化の拡大に伴い、アニメは若者の文化消費において重要な位置を占めるようになっている。10月2日から5日にかけて、江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)の太湖国際博覧センターで第一回「ANIMATION CHINA」原創アニメ展が開催された。このイベントは、騰訊視頻(テンセントビデオ、Tencent Video)、次元摩玩、無錫市太湖国際会展集団による共同主催であり、中国オリジナルアニメ作品に特化した画期的なアニメ展だ。騰訊視頻の「斗羅大陸」「一人之下」「魔道祖師」などの国内人気アニメIP(知的財産権)が一堂に会し、多くのアニメ制作の巨匠や声優、コスプレイヤーが参加して、ファンと作品の裏話を楽しんだ。 4日間のイベントでは、騰訊視頻の国産アニメIPを活かし、オンラインからオフラインへと体験を拡張した。ファンが「見る」「語る」「買う」「遊ぶ」という4つの要素を楽しめるよう、アニメ関連商品や国内オリジナルブランド、独立クリエイターの展示、コスプレ、アニメのワークショップ、ゲーム体験などのテーマエリアが用意された。会場面積は3万6000平方メートル以上に及び、たくさんのアニメファンが訪れてさまざまなアクティビティを満喫した。 国慶節期間、アニメ展には多くの来場者が訪れ、その中には遠方からわざわざ足を運ぶ人も多かった。このイベントの収益は、チケットやグッズの販売、スポンサーからの協賛に加え、交通、宿泊、飲食、小売といった周辺産業にも広がり、経済効果をもたらした。 このアニメ展では、国産アニメのクリエイターが才能を発揮する場として、個人や独立スタジオの作品を紹介するエリアも設けられていた。全国から約300本のアニメやマンガが集まり、創造性と情熱を称える場となった。また、北京電影学院(Beijing Film Academy)の教授やアニメ制作会社の代表も登壇し、アニメ制作の知識を共有することで、国産アニメの発展を支援する場にもなった。 無錫市の関係者は、アニメIPは強いファンの支持を得ていて、文化と観光を融合する効果的な手段であると述べている。「ANIMATION CHINA」原創アニメ展の開催を通じて、無錫市は「国漫(国産アニメ)の街」という新たな都市ブランドを形成し、より多くの若い観光客を引き寄せることができると期待されている。 騰訊視頻は、オンライン映像配信プラットフォームとして、観光地との協力を通じてアニメIPを使ったイベントの成功に貢献してきた。これまでにIPテーマの大規模な花火大会や音楽フェス、テーマホテルなどを開発し、観光とアニメIPの融合による多くの成功例を生み出している。 業界関係者は、アニメや映画のIPは地域経済にも大きな影響を与えると指摘している。観光地は制作会社と協力して、映画やアニメのロケ地としての地位を確立することで、地域に経済的な利益をもたらすことができる。観光地がIPを活用し、観光客に長期的な体験を提供することで、持続的な消費を促進し、地域の文化的価値を高めることが求められている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。