藤井聡太八冠、名人初防衛へ「いよいよ始まると実感」タイトル戦最多タイ17連勝視野に
将棋の藤井聡太名人(21)=竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖=に豊島将之九段(33)が挑戦する第82期名人戦七番勝負第1局が10、11日に東京・文京区の「ホテル椿山荘東京」で指される。9日、両者は検分と前夜祭に臨んだ。 名人初防衛を目指す藤井は「1年ぶりに椿山荘にやってきて、いよいよ名人戦が始まると実感している」と話した。昨年8月、王座戦第1局で敗れたのを最後に、番勝負では黒星がない。タイトル戦連勝を15に伸ばしており、大山康晴十五世名人の歴代最多17に迫っている。現在、伊藤匠七段(21)との叡王戦にも臨んでおり、10日からの名人戦第1局と、20日の叡王戦第2局に連勝すれば最短で記録に並ぶ。 藤井とのタイトル戦は22年の王位戦以来となる豊島は「強敵ですが、自分なりに精いっぱい指していきたい」と意気込む。両者の対戦成績は藤井から見て22勝11敗。初対戦から豊島が6連勝し、“藤井キラー”とされていたが、直近は豊島の9連敗。それでも、23年度の将棋大賞の名局賞は、藤井と豊島による王座戦挑戦者決定戦が選ばれており、激戦が予想される。 藤井は「明日からの対局でも最大限集中し、読みを深め、見ている方に楽しんでいただけるような将棋を指せれば」と春の熱戦を戦い抜く。(瀬戸 花音)
報知新聞社