多井隆晴

　上位を目指すよりまず足固め。隙のない麻雀はまさに現役最強だ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」3月18日の第1試合は渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）がトップを獲得。セミファイナルシリーズ進出を目指す当面のライバル、BEAST Japanext・鈴木大介（連盟）を抑え込んだ。 【映像】狙い通りのトップにニヤリと笑う多井隆晴 　この試合は東家からU-NEXT Pirates・鈴木優（最高位戦）、多井、BEAST Japanext・鈴木大介（連盟）、セガサミーフェニックス・醍醐大（最高位戦）の並びで開始。東2局、親番の多井はカン五万待ちでテンパイすると即リーチ。醍醐が追っかけてきたが、さらに3軒目の参戦を目論んだ鈴木大介からロン。リーチ・赤に加え、裏ドラが1枚乗り、効率の良い7700点で頭一つ抜け出した。 　醍醐が鈴木大介から跳満をアガるなど加点し、2着目で迎えた南3局。多井は8巡目に一・四万待ちでこの日3回目のリーチ宣言だ。これに競りかけて来た鈴木優から一万をロン。リーチ・平和・ドラ・裏ドラの8000点で三者を突き放した。多井はこれで今期5勝目。 　喜びを噛み殺すようにしてインタビューに登場した多井。負ければ個人成績はマイナスに転じるという試合だったが「基本的にはチームのスコアしか考えていなくて、やっぱり7・8・9位にはなりたくない、なっちゃダメだという思いがずっとあった」とチームを率いるエースとしての責任感をのぞかせた。この試合では「BEASTとの点差がすごく大事」と意識をしていたようで、鈴木大介に加点されるよりはと、他家に役牌を鳴かせる局面もあった。「他の3人は『上を目指している』というかもしれないが、僕はスーパーネガティブなので」とリアルな大局観も口にした。 　前日は52歳の誕生日、多くのファンからの祝福を受けた。プレゼントには、結果でお礼を伝えたい。最後に多井は「もっともっと頑張らなきゃな、という気持ちもあるので、今シーズンも最後まで残って連覇して『ABEMASは強いな、多井は強いな』と言われるように気を引き締めたい」と大目標も口にした。 　この試合、多井は上位を追うのではなく、あくまで厳しく下位のライバルを抑え込み、その結果としてトップを掴み取った。隙のない絶対王者にファンからは「最強が戻ってきたアアア」「なんだかんだ多井やな」「同い年なんで期待してるぜ！！」と多数の声援が集まっていた。 【第1試合結果】 1着　渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）3万8700点/＋58.7 2着　U-NEXT Pirates・鈴木優（最高位戦）2万8800点/＋8.8 3着　セガサミーフェニックス・醍醐大（最高位戦）2万3700点/▲16.3 4着　BEAST Japanext・鈴木大介（連盟）8800点/▲51.2 ※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会 ◆Mリーグ　2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。 （ABEMA/麻雀チャンネルより）