台湾議会占拠の学生ら ひまわりの花を手に撤退
「私たちは、理想や夢を持って、この議場に入りました。そして、今は責任を持ってここから出ます」── 「両岸サービス業貿易協議」に抗議する学生らが、台湾の国会に当たる立法院を占拠していた問題で、学生側は4月7日、立法院からの撤退を発表。そして4月10日夜、すべての学生が議場内から撤退した。
■24日におよぶ議会占拠、デモに50万人集結 学生らは3月18日、中国-台湾の間で調印された「両岸サービス業貿易協議」への質疑を、馬総統や与党・国民党がわずか30秒で打ち切ったことへの抗議として、国会に当たる立法院を占拠。その後、学生らは協議の撤回と、審議内容を監督する法律の成立を先に行うよう要求した。しかし、その後も譲歩の姿勢を見せないことから、3月30日に総統府周辺で抗議集会を開催。参加者は主催者発表で50万人以上、警察発表でも10万人を超える規模となった。
■議場からの撤退、学生ら「終わりではない」 立法院長(議長に相当)の王金平氏が4月6日、立法院に足を運び、「協議を監督する法律が成立するまで、与野党協議は招集しない」と宣言。学生らには議場からの早期撤退を求めた。これを受けて4月7日、学生側が記者会見し、日本時間4月10日午後7時に議場から撤退することを発表。 4月10日夜、学生らは議場内で最後の会見を行い、「今日、議会から撤退するのは『終わり』ではない。もし、今回の議会占拠で挙げた成果が“破壊”されるようなことがあった場合は、みんなでもう一度、議場もしくは総統府にまで抗議の活動を拡げる」と宣言。午前中より議場内を清掃するなどして撤退の準備をしていた学生らは日本時間午後7時7分、今回の学生運動の象徴となった「ひまわりの花」を1本づつ手に持ちながら議場を後にした。 (TomoNews/台湾)