レンタカーのハーツ急落、赤字が市場予想のほぼ3倍-EV売却加速で
(ブルームバーグ): 25日の米株式市場で、米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングスが急落。同社の1-3月(第1四半期)決算は、赤字額がアナリスト予想の3倍近くとなった。業績を圧迫してきたテスラ車の保有を減らすため、電気自動車(EV)の売却を加速させたことが響いた。
ハーツの25日発表によれば、損失額は3億9200万ドル(約610億円)。1株当たりでは1.28ドルの赤字。アナリスト予想は同44セントの赤字だった。ハーツは、現在売却目的で保有しているEV1万台について、減価償却費として1億9500万ドルを計上した。
ニューヨーク市場でハーツ株は一時25%安の4.35ドルと、上場来安値を更新した。
ギル・ウェスト新最高経営責任者(CEO)は、保有するEVの数を適正化し利益への打撃を減らす上で、当面は苦い薬を飲むこともいとわないようだ。EVは従来のガソリン車よりも修理費が高いほか、テスラによる値下げで価値が低下している。
ウェスト氏は2024年について、「移行の年」だと述べた。
ハーツは第1四半期に125の拠点を閉鎖。うち多くは空港以外の不採算拠点だった。
EVの売却には時間がかかる見通しだ。つまり、ハーツは過去2年間に行ったEVへの大きな賭けの巻き戻しに今年の大半を費やすことになる。ハーツは2021年10月にテスラ車を10万台発注。価格が安定して推移し、消費者のEV需要も増えると想定していた。だが全く逆のことが起こった。現在ハーツは、年内に3万台のEVを売却すべく取り組んでいる。
原題:Hertz Shares Plunge to Record Low as It Unwinds Tesla Fleet (2)(抜粋)
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David Welch