ロート製薬が農場で野菜作り 奈良「ハンサムガーデン」へ
ロート製薬が健康考え食ビジネス 奈良・ハンサムガーデンで野菜つくってます THE PAGE大阪
大阪市生野区に本社を置く「ロート製薬」。前回その本社をぶらぶらしながら取材を行ったが、その途中で寄った同社の福利厚生施設「スマートキャンプ」で体調を整える薬膳料理が社員に提供されていることを知った。しかも、その料理の材料は、同社の子会社で奈良県宇陀市にある「ハンサムガーデン」で作られているという。なんと同社は「食ビジネス」にも参入しているとか。そのハンサムガーデンとはどういった場所なのか、なぜそんなネーミングなのか? それを探るため、実際に農場を訪ねてみた。
1ヘクタールの敷地で30種類の無農薬野菜
大阪上本町駅から近鉄大阪線の急行列車に乗って約50分かけてやってきたのは奈良県宇陀市の榛原駅。そこから車で約10分ほど走った場所に「ハンサムガーデン」がある。標高350メートルの場所で、様々な野菜を作っている。 「ここでは農薬や化成肥料を使わない栽培をやってるんですよ」と語るのは、同社社員でハンサムガーデン代表取締役の笹野正広さん。約1ヘクタールの敷地内では、30種類もの無農薬野菜を育てている。 ここで育てた野菜は、先のスマートキャンプなどでも提供されるわけだが、それは「健康を提案する会社は社員も健康でなければ」という考えから行われている。また、ここで農業をすることにより、生産から流通、販売までを行いながら、そのノウハウを身につけ、将来的な事業拡大へつなげていくという思いもあるという。
パートは農家の女性・心強い地元の存在
取材に行った日は、手押し車で肥料をまく作業を行っていた若い社員に話を聞けた。敷地内に2人で約3トンもの肥料をていねいに巻くという。作業していた男性は「農業高校、農業大学校で勉強してきたので農業の経験はありましたが、本当の農作業はここで実践しながら勉強しています」と語る。また「ていねいな作業のうえ、無農薬での野菜作り。大変ではあるが、やり甲斐がある」と笑顔で続けた。 野菜をつめる作業場では、パート従業員の女性らが、てきぱきと袋詰め作業を行う。笹野さんによると、地元・宇陀の農家の女性らが働いているという。 「ずっと農業をしてきた方に手伝っていただくことにより、そうですね、なにかあった時とかでも、その経験からいろいろ教わることも多いんです。心強いですねえ」と笹野さん。宇陀で自分たちの農場を開いたことにより、雇用のほか地元との交流もあるなど、様々な面で地域に根ざした農場にもなっているようだ。