JR美祢線利用促進協 快速バス便の実証開始【山陽小野田】
JR美祢線利用促進協議会(会長・篠田洋司美祢市長)は、JR西日本が同線で運行している代行バスに加えて、今月から快速便10便を増便する実証実験を行っている。来年3月21日まで運行して公共交通のニーズを把握し、同線に関わる将来の輸送手段の在り方の参考にする。 同線は昨年の6月末から7月1日にかけての大雨被害で全線が運休しており、現在はJR西が厚狭-長門市駅間で1日19便の代行バスを運行している。鉄道での復旧か、バスを含めた他の輸送手段を選択するのかに当たり、利用者や沿線住民の公共交通に期待するものを探ることが狙い。 代行バスは12駅すべてに停車しているが、快速便は厚狭、美祢、於福、長門湯本、長門市の主要5駅にのみ停車。これにより厚狭駅から長門市まで81分の所要時間が12分間短縮される。 朝夕の通勤、通学時間だけでなく日中や土・日曜にも運行し、観光客の利用ニーズも把握することができる。厚狭駅での新幹線との接続にも配慮したダイヤとなっている。 現行の代行バスと同じ停車場所で運賃は鉄道と同額。JRの乗車券、定期券で利用でき、予約は不要。新しくバスロケーションシステムも導入し、スマートフォンでバスの運行状況が分かるなど利便性が向上する。 実証実験の期間中は、利用客や沿線住民に随時、アンケート調査などを行い、地域の公共交通ニーズを探り、復旧の在り方に反映させる。 同線の1日当たりの平均利用者数は、昨年は300人(1~6月分の列車、7~12月の代行バス)。2022年は377人だった。