自宅で紅葉が楽しめるおすすめ庭木&植物16選【大人気グリーンショップ監修】家の庭やベランダで美しい秋を堪能しよう!
暑い夏が過ぎ、植物にも変化が訪れる秋。冬支度をする過程で、緑の葉が黄色や赤色に美しく変化する、この時期にしか見られない景色が楽しみな時期でもあります。 【写真で見る】知らない品種が続々。さすがのセレクトに注目!庭はもちろん、小さな鉢で楽しめる品種も 今回は、SOLSO FARMの清水葉峰さんに、家の庭におすすめの紅葉する木と植物を伺いました。 人気グリーンショップならでは、モミジやカエデのなかでもおしゃれで珍しい品種のセレクトにも注目! お庭づくりのコツをおさえて、四季が感じられる風景を自宅でも楽しんでみませんか?
秋に葉が美しく紅葉するのはなぜ?
秋から冬に近づくにつれて、植物の紅葉が楽しめる季節がやってきます。 そもそも紅葉とは、光合成のために光を効率的に吸収する「クロロフィル」という色素の変化によるもの。春から夏の間は、この色素が葉を緑色にしています。 気温が下がる秋になると日照時間が短くなり、光合成の効率が低下。樹木は消費エネルギーを抑えるために、葉を落とす準備を始めます。この落葉するまでの過程でクロロフィルが分解され、一方でアントシアニンという色素が合成されることで葉が黄色や赤に変化していくのです。 「日当たりもある程度必要です。例えば、山頂と谷に樹木があるとすると、風が冷たく日当たりのよい山頂から先に紅葉します。 紅葉すると落葉するイメージがありますが、葉を落とさずに春になったらまた緑色に戻る植物も。 特にアーバンガーデニングでは、落葉せずに、紅葉などの変化をする植物をよく使います」(清水さん)
紅葉が楽しめる植物16選
秋から冬にかけて葉の色の変化が楽しめる、清水さんおすすめの樹種を紹介します。 【アオシダレ】 ・分類:ムクロジ科カエデ属 紅葉といえば「モミジ」。定番のイロハモミジのなかでも、枝が垂れるモミジを「枝垂れモミジ」と呼びます。アオシダレは、枝垂れモミジの一種です。 一般的なモミジよりも線の細い繊細な葉が特徴で、春夏は爽やかな印象を与えます。秋になると、葉が黄色から赤褐色に変化。 モミジのなかではどのような低木も合わせやすく、和風庭園だけでなく、ドライ系を合わせたモダンな植栽も演出できます。 落葉樹で、ゆっくりと成長します。 日当たりと風通しのよい場所が適していますが、日差しが強すぎると葉焼けの原因となるため西日に注意しましょう。 【銀葉楓】 ・分類:ムクロジ科カエデ属 「カエデ」は、紅葉がきれいな植物の代表例。そのなかでも銀葉楓は幹が白く、一際存在感を放つ樹種です。 手のひらのような深い切れ込みのある葉で、裏面が白く、銀色に輝いて見えることからその名が名付けられました。 秋になると、緑色の葉が淡い黄色に変化。冬の終わりから春先には、葉が出る前に黄緑色の花を咲かせます。 紅葉が終わり、葉が完全に落ちたあとも白い幹がそびえる景観を楽しめるでしょう。 【ピンオーク】 ・分類:ブナ科コナラ属 ピンオークは、アメリカ東部から中部に分布する「レッドオーク」という落葉樹の一種です。 「ピン」とは、牧場の杭のこと。木材が杭に使われることに由来し「ピンオーク」と名付けられたそう。 紅葉による色のグラデーションも見どころですが、不規則に分裂した葉の形が特徴的で、落ちた葉も絵になります。 固い葉が落葉した状態のまま残るため、落葉した葉をそのまま飾ったり、クリスマスの時期にリースにしたりできますよ。 【ラクウショウ】 ・分類:スギ科ヌマスギ属 ラクウショウは、針葉樹の仲間。スギやマツ、クリスマスツリーとして親しまれているもみの木など針葉樹は常緑が多いですが、ラクウショウは落葉する樹種です。 秋になると細い葉が紅葉し、枝ごと落ちる様子が鳥の羽のように見えることから「ラクウショウ(落羽松)」と名付けられました。 名前に「松」の字が入っていますが、スギやヒノキの仲間になります。 「ヌマスギ」という別名があるように、沼のなかに植えられるほど湿地に強く、日陰でも育ちます。 【レモンティーツリー】 ・分類:フトモモ科レプトスペルマム属 レモンティーツリーは、その名の通り葉に刺激を与えるとレモンのような柑橘系の香りを放つ樹木です。 爽やかな香りにはストレス緩和や集中力アップなどの効果があるとされ、アロマオイルやハーブティーなど幅広い用途で使われています。 常緑樹でありながら、寒暖差によって葉の先からオレンジに変化。日光が当たりやすい新芽に色がつきやすいので、緑色とのきれいなコントラストを生み出します。 「落葉樹が大きくなると、管理が大変……」という方にもおすすめです。 【ブルーベリー】 ・分類:ツツジ科スノキ属 実は紅葉も楽しめるブルーベリー。夏に実をつけ、気温が下がる秋ごろになるとオレンジ色から赤に紅葉します。実をつけたあとも、見どころのある樹種です。 もともと緑~青色系のシックな葉をつけるため、紅葉で色が変化していく過程も堪能できます。 日光を好むため、日当たりよい場所で育てましょう。比較的に育てやすい小果樹で、初心者の方にもおすすめです。 【カシワバアジサイ】 ・分類:アジサイ科アジサイ属 カシワバアジサイは、アジサイの一種。柏の葉のように、手のひらのような葉の形をしています。梅雨の時期は白やピンクの花が咲き、大胆な円錐形の花房が見応えのある品種です。 雨が続いて気分が沈みそうなときに眺めていると、元気が出てくるような華やかさがあります。他のアジサイよりも開花期間が長く、長い期間鑑賞が楽しめるでしょう。 梅雨が過ぎたあとは、秋~冬にかけて葉が真っ赤に紅葉します。 特別なお手入れは必要ありませんが、水はけのよい環境で育てます。日陰でも育てられますが花つきが悪くなる可能性もあるため、日当たりのいい場所で管理しましょう。 【ドウダンツツジ】 ・分類:ツツジ科ドウダンツツジ属 春になると、切花のように花瓶で枝木が飾られることもあるドウダンツツジ。 枝が細く、ドライガーデンで植えられるような植物とミックスして合わせたり、和風のような雰囲気を表現したいところに植えたりと、さまざまな植物とコーディネートしやすい樹種です。 新緑のイメージがありますが、黄色から赤くなる紅葉した姿も魅力。 樹木としてお庭を彩るのはもちろん、枝を切って室内で鑑賞する楽しみ方もできます。 【サンゴミズキ】 ・分類:ミズキ科ミズキ属 サンゴミズキは、サンゴのような赤い枝が伸びる植物です。緑色の葉や斑入りの葉とのコントラストが美しく映えます。 春になると小さな花が咲き、秋になると葉がオレンジ色に変化して落葉します。花や葉だけでなく、落葉したあとも鮮やかな色の枝を見ることができます。 それぞれの季節でしか見られない景色が楽しめるでしょう。 環境によって異なりますが、庭に植えている場合は雨水だけでも育てられます。 頻繁に水やりをする必要はなく、基本的に地表が乾いたら水を与えましょう。 【ストロビランテス ブルネッティ】 ・分類:キツネノマゴ科ストロビランテス属 ストロビランテス ブルネッティは、初夏に薄紫色をした筒状の花が咲き、冬になると緑色の葉が黒に近い紫色に変色する植物です。全体が紫色に変わっていくグラデーションの過程で、メタリックのような色味になることも。ギラギラとした色彩は、お庭のアクセントとなってくれるでしょう。常緑のため、落葉せずに気温が上がると緑色に戻ります。 マイナス5度までの寒さに耐える耐寒性もあります。日陰でも育ちますが、ある程度日当たりが確保できる場所で管理することで、葉を美しく保つことができます。 【ミューレンベルギア】 ・分類:イネ科ネズミガヤ属 ミューレンベルギアは、グラス系の植物です。夏の終わり頃から緑色の葉から穂が出始め、秋になると赤紫色のふわふわとした花が咲きます。 1株ではなくまとめて植えることで、美しい風景をつくり出すことができます。冬に向かって茶色に変色し、落葉する前の景色が魅力。 秋頃の華やかな姿が、特別感を演出してくれるでしょう。 徒長させないように、水はけと風通しのいい場所で管理することがポイントです。 【パニカム プレーリースカイ】 ・分類:イネ科パニカム属 グラス系というと日本ではすすきや猫じゃらしのようなイメージがありますが、パニカム プレーリースカイは、植栽として鑑賞価値の高い植物です。 さまざまな種類があるパニカムのなかでも珍しい、水色がかった葉が美しい品種で、秋になるとクリーム色になり、紅葉して赤っぽく変化します。 水色から暖色に変化していく様子が見どころ。冬になると茶色になって枯れますが、枯れ姿も楽しめます。 【セダム 虹の玉】 ・分類:ベイケイソウ科セダム属 実は紅葉する植物も多い多肉植物。ドライガーデンや駐車場の目地としてよく使われているセダムもそのなかの1つ。 「虹の玉」という品種は、気温が下がるとぷっくりとした緑の葉がオレンジから赤に染まっていきます。 小さな鉢で育てられるため、「限られたスペースで紅葉を楽しみたい」「自宅のなかでも季節を感じたい」という方にもおすすめです。 【ヘンリーヅタ】 ・分類:ブドウ科ツタ属 ヘンリーヅタは、落葉するツル植物の一種です。葉の表面が緑色、裏面が赤色と表裏で色が異なり、秋になって気温が下がると赤に染まっていきます。 フェンスなどに絡ませて育てると、春夏は目隠しや日よけの効果も発揮し、見た目も美しい光景になります。 冬は葉が落ちるので日が差し込みますが、葉の変化とともに季節の移り変わりが楽しめるでしょう。壁面に這わせて成長させることもできます。 【カツラ】 ・分類:カツラ科カツラ属 渓流沿いに紅葉した木々が並ぶ美しい光景。それはカツラの木かもしれません。「生きた化石」と呼ばれるほど古い時代から生きている植物です。 秋になると、丸いハート型の葉が黄色に変化し、甘い香りを放ちます。落葉樹のため、冬には美しい樹形を見ることができます。 樹高20m以上に育つ高木で、自宅の庭に植えるときは少しご注意を。 敷地内で建物や他の植物の日当たりに影響がないかなど、よく検討しておくとよいでしょう。 【ルス・ティフィナ】 ・分類:ウルシ科ヌルデ属 ルス ティフィナは、大きな濃い緑色の葉を広げる植物です。夏には赤い花が咲き、秋になると黄色からオレンジ、赤色に変化します。 鮮やかな色彩とワイルドなたたずまいが独特の存在感を発揮し、1本植えると象徴的なシンボルツリーとして楽しめます。5m程度に育つので、剪定して大きさを調整しましょう。