「小池さん、蓮舫さん、ハシゴをそのままに」 映画『未来を花束にして』
サウジアラビア2015年、カタール2003年、ナイジェリア1976年……1946年日本、1918年英国(注※)。これらは女性参政権が認められた年である。 映画『未来を花束にして』は100年ほど前、英国で女性たちが選挙権を求める激しい運動「サフラジェット」を起こし、それを獲得するまでの“たくましくも美しい闘い”を描いた作品だ。
女性たちが声を上げ、行動して社会を変えた結果得られた「女性参政権」
劣悪な労働環境の洗濯工場で働くモード(キャリー・マリガン)は配達の途中で、洋品店のショーウィンドウに石が投げ込まれるのを目撃する。女性参政権運動を展開するWSPU(女性社会政治同盟)の行動現場に初めて遭遇した瞬間だった。 「女性は男性と同じ権利が与えられないのは当たり前」と思い込んでいたモードは、「将来生まれる少女たちが、兄や弟と同じ機会を持てる時代のために闘うのです」という運動の中心的人物、エメリン・パンクハースト(メリル・ストリープ)の演説の言葉を胸に仲間とともに、自分たちのそして女性たちの未来を変えようと立ち上がる。 美しい映像の中で綴られる女性たちの激しい怒りと意志は、過激な行動へと掻き立てる。エメリン・パンクハーストのひ孫で、DVや貧困など女性の権利問題に取り組む大学客員教授ヘレン・パンクハースト(52)は、このシーンについて次のように考えている。 「過激な行動がなくても女性参政権は得られたと思います。社会的な側面から歴史を見たとき、例えば米国の公民権運動、南アフリカの対アパルトヘイトなど穏健的または武闘派のアプローチの両方が時には両方が必要になると思います。それよりも、彼女らが参政権を手に入れる前にすでに社会を変えていたことが重要なんじゃないかと思います。つまり、彼女たちが声を上げ、行動に移すことで周囲の考えに対する考え方をまず変え、自分自身を変えられたということです。ただ、ああいう行動がなければ女性の参政権獲得は100年は遅れたでしょう」