来季は2部or3部? 降格危機に瀕する欧州日本人(3)孤軍奮闘も虚しく…。報われない逸材GK
欧州主要リーグの2023/24シーズンも佳境に差し掛かっている。各リーグの優勝争いが熾烈を極めている中で、クラブの明暗をかけた残留争いからも目が離せない。今回は欧州でプレーする日本人選手の中から、降格危機に瀕しているチームに所属する選手を紹介する(成績は4月21日現在)。
GK:長田澪(フォレンダム/オランダ) 生年月日:2004年4月16日 所属クラブ順位:17位(エールディビジ/18チーム) 今季リーグ戦成績:30試合74失点 長田澪は今シーズン最も欧州で出場機会を得ている10代の日本人選手である。ドイツと日本のハーフである若き守護神は、今季ブレーメンからオランダのフォレンダムへとローン移籍しており、エールディビジ第30節終了時点で全試合フル出場している。 30試合で74失点というのは、失点し過ぎとも思われるかもしれないが、第一にフォレンダムの守備が崩壊していることを忘れてはならない。彼はリーグ2位の選手よりも30セーブも多い167セーブを記録しており、データサイト『Sofa Score』によると、全18チームの正GKの中で最高点となる「7.41」のレーティングがついている。 異次元の大活躍だったのが第28節フェイエノールト戦だ。この試合でフォレンダムは11本もの枠内シュートを打たれたが、その全てを長田がセーブ。見事スコアレスドローに持ち込んだ。また、直近の第30節エクセルシオール戦で11セーブを記録するなど、孤軍奮闘の活躍を披露している。 その一方でフォレンダムの降格は日に日に近づいている。昇降格プレーオフ圏内の16位ワールウェイクとの勝ち点差は「5」であり、残り4試合残していることを踏まえると逆転も不可能性ではない。ただ、直近10試合で1分9敗と絶不調だった14位エクセルシオールに0-4の大敗を喫するほど他チームとの実力差は明らかであり、奇跡の残留は極めて難しい状況にあるだろう。
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