「大地震」で死なないために…いますぐ知りたい「地震のプロたちは何を準備しているのか」
2011年3月11日、戦後最大の自然災害となる東日本大震災が発生した。あれから13年、令和6年能登半島地震をはじめ何度も震災が起きている。 【写真】日本人が青ざめる…突然命を奪う大災害「最悪すぎるシミュレーション」 しかしながら、これから起きうる大きな自然災害(首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山噴火)について本当の意味で防災意識を持っている人はどれほどいるだろうか。 もはや誰もが大地震から逃れられない時代、10刷ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。 (※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです) ポイント:1週間生きる必需品 東京大学の目黒公郎教授(都市災害軽減工学) 災害発生時に避難所ではなく、自宅で1週間生きるために必要なのは水、食料、トイレだ。忘れずに置いておきたいのは「卓上のガスカセットコンロ」「密閉袋」「風呂の水」の3点セットだという。 密閉袋に食材を入れて、風呂の水を利用して湯煎すれば、同時に多数の料理ができる。地震で停電し、冬にエアコンもつかないことを想像すれば身を温めることもできる。季節ごとに家庭で一日電気を使わず生活をしてみる「訓練」をすると、何が足りないかがわかるという。 ポイント:耐震基準は最低ライン 早稲田大学の長谷見雄二名誉教授(建築防災) 「頑強な家」が自慢だ。若い頃、「日本の木構造の父」と呼ばれた東大名誉教授・杉山英男氏に、自宅の設計図を見せたところ耐震基準は満たしていたものの、「それは最低基準だ」と説明された。 家族からは開放感や使い勝手を気にして反発もあったが、杉山氏に会議で会うたび「直したのか?」と確認されて壁を2枚増強。震度5強が発生してもモノがまったく倒れない、落ちない、ビクともしないマイホームを手に入れた。 ポイント:津波まで残された時間 東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授(津波工学) 出かけるときには、地域ごとのハザードマップを確認している。浸水範囲の他に津波到達時間が記載されている。この到達時間が最も重要で、津波の第一報が来たら、どんなアクションをいつ取らなければならないのか、あらかじめイメージを作っている。 津波到達時間がわかれば、残された時間の目安がわかる。到達まで30分以内ならテレビも見ずに高台に逃げる。地図情報を頭に入れて、さまざまな場所を知っておくことが大事だという。 つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。
宮地 美陽子(東京都知事政務担当特別秘書)