頼総統 就任の裏で…中国が台湾起業家取り込み!?【WBS】
台湾新政権が抱える問題とは?
台湾ではTSMCに代表される半導体などのハイテク産業が好調な一方、経済格差も広がっています。実は台湾では給与所得者の68%が平均収入よりも低い水準で暮らしているとされ、特に若者の経済的な不満が高まっています。 頼新総統はこうした問題に対処しながら、中国の軍事的脅威にも備えなければなりません。防衛費は対GDP比で現在の2.5%から3%に増額するという目標もあります。ただおよそ40%と歴代総統の中でも低い得票率で選ばれたこともあり、まずは政権基盤の安定のため、経済問題への対応が優先となりそうです。 では中国とどう向き合うのでしょうか。頼新総統が演説で口にした中国との対話は、実際のところどうなるんでしょうか? 台湾と中国の関係に詳しい法政大学の福田円教授は「演説の中で頼新総統が中国との対話に言及している回数が少ない。すぐに中国と対話を再開できるようにはならない」と話します。 実際、既に蔡英文前総統の時代から中国との対話はほぼないに等しい状態です。そのかわり頼新総統は右腕でもある副総統にアメリカとのパイプが太い蕭美琴前駐米代表を任命していて、今後、対米関係の強化を一層打ち出していくとみられます。 ※ワールドビジネスサテライト