戦争で家族と家を失ったサヘル・ローズさん「どこに住むかではなく、誰と住むかが大切」|STORY
1993年 虐待から逃れてホームレスに 「公園生活は虐待に怯えずに母といられることが嬉しかった。給食のおばちゃんとの出会いや担任の先生からランドセルを頂くなど、温かいおせっかい文化に救われました」
「遊具の土管に寝泊まりし、公園で顔を洗い学校へ。蛇口をひねれば飲むことができる水が出てくる日本。さまざまな国で支援活動をしていると、そのありがたみを切に感じます」
孤児院で出会った2人。
「母からの贈り物。イラン・ホルムズ海峡で母が見つけた光る石」
「母が大切にしていた曽祖母から譲り受けたネックレスと指輪。赤い石にはペルシャ語で詩が刻まれています。歴史とたくさんの思いが詰まった私の大切な宝物です」
難民・移民フェスで「さへる畑」のメンバーと。
ヨルダン難民キャンプで。
2023年4年ぶりのイラク訪問。
迫害を受けたヤズィーディー教徒のお母さんたちが作ってくれたバラ形のペン。
ウクライナ、クルド、ヨルダンの難民キャンプの少女たちからの贈り物。大切なものを託すというのは、「忘れないで」というメッセージ。
多方面で活躍する中、主演を務めた映画では、2019年にミラノ国際映画祭を始めとするさまざまな映画祭で最優秀主演女優賞を受賞。慈善活動にも注力し、米国の「人権活動家賞」を受賞。近著に『言葉の花束 困難を乗り切るための“自分育て”』(講談社)。
○ 能登半島地震 被災者の方々へ 不安ばかりが押し寄せる中、頑張りすぎないで! とお伝えしたい。 <編集後記>彼女の言葉が行動が人に気づきを与えてくれる 著書でサヘルさんの壮絶な過去を知り……言葉を失いました。“人”が起こした戦争や虐待。“人”を憎んでもおかしくないのに、取材時に彼女が語った言葉からは“人”を思いやる優しさや愛を強く感じました。ぜひ皆さんにもサヘルさんの声に耳を傾けてほしい。必ず何か気づきがあるはずです。(ライター 上原亜希子) 撮影/BOCO 取材/上原亜希子 ヘア・メーク/深山健太郎 ※情報は2024年4月号掲載時のものです。