原子力規制委員会は１６日、１１月に国内の原子力発電所では初めて運転開始から５０年を迎える関西電力高浜原発１号機（福井県）について、今後１０年間の管理方針を定めた「保安規定」を認可した。高浜１号機は２０１６年、最長６０年までの運転延長の認可を既に受けているが、保安規定の認可手続きを経て、初の５０年超運転に向かうことになる。 【図解】さっと分かる…原発の長期運転に対する規制

（写真：読売新聞）

　高浜１号機は国内で運転中の原発で最も古く、１９７４年１１月１４日に運転を始めた。運転開始から３０年を超える原発は「高経年化対策」制度に基づき、事業者が構造物の劣化などを考慮した保安規定を１０年ごとに定め、規制委の審査を受けなければならない。関電は２０２３年１１月、５０年超の運転を見据えた保安規定の変更を規制委に申請していた。

関西電力・高浜原子力発電所

　これとは別に高浜１号機は１６年、高浜２号機（１９７５年１１月運転開始）とともに、規制委の審査で最長６０年までの運転延長が認められている。「運転延長認可」制度に基づくもので、運転開始から４０年を超える原発は、１度に限り最長２０年の延長が可能になる。

　一方、両制度を一本化し、６０年超の運転が可能となる新制度が来年６月に施行される。施行時点で３０年を超える原発は、新制度に基づく規制委の認可を改めて受ける必要があり、高浜１号機も対象となる。