【プレミア注目プレビュー】浮上のきっかけ探るユナイテッドとチェルシーのミッドウィーク決戦!
プレミアリーグ第15節、マンチェスター・ユナイテッドvsチェルシーが、日本時間6日29:15にオールド・トラッフォードでキックオフされる。上位浮上へいずれも勝ち点3必須の赤と青の名門による、ミッドウィーク開催のビッグマッチだ。 【画像】予想フォーメーションをチェック 7位のユナイテッド(勝ち点24)は前節、ニューカッスルとの強豪対決に臨んだ。今季EFLカップでの惨敗に加え、直近チャンピオンズリーグ(CL)のガラタサライ戦での不甲斐ないドローを払拭すべく敵地に乗り込んだが、0-1というスコア以上の力の差を見せつけられた。共に負傷者の多さや直前にCLのアウェイゲームを戦った条件は同じだったものの、ハイインテンシティを披露したホームチームに攻守両面で圧倒され、リーグ戦での連勝が「3」でストップした。 今回の試合直前には指揮官に不満を抱く選手かチーム関係者からのリークと見られるテン・ハグ監督批判の内容が複数メディアで報じられると、クラブサイドが“出禁”を言い渡す強硬手段に出ており、不穏な空気のなかでオールド・トラッフォードでの一戦に臨む。仮に、この試合で惨敗するようなことがあれば、オランダ人指揮官の立場はより危ういものとなるはずだ。 一方、10位のチェルシー(勝ち点19)は前節、ホームで難敵ブライトン相手に3-2の勝利。ギャラガーの退場によって2試合連続で数的不利の戦いを強いられたが、いずれもセットプレーからエンソ・フェルナンデスとコルウィルにプレミアリーグ初ゴールが生まれると、後半終盤は粘りの守備で逃げ切りに成功。前々節のニューカッスル戦で喫した惨敗を見事に払しょくした。 そのタフな一戦から中2日で臨む難所でのアウェイゲームではギャラガー不在で手薄な中盤の問題もあってタフな戦いが予想されるが、サスペンション明けのリース・ジェームズとククレジャの両サイドバックの復帰などを追い風に連勝を飾りたい。 なお、テン・ハグ監督とポチェッティーノ監督は今回が通算3度目の対戦となる。そして、前回対戦は前者がアヤックス、後者がトッテナムを率いていた2018-19シーズンのCL準決勝。1stレグを1-0で先勝したアヤックスが2ndレグでも2点リードを得て決勝進出濃厚と思われたなか、ルーカス・モウラ(現サンパウロ)のハットトリックによってトッテナムが後半ラストプレーで試合を引っくり返し、CL史上でも屈指の劇的な勝ち上がりを見せた。その明暗分けた一戦以来の両指揮官の再戦はどちらが最後に笑うことになるのか…。 ◆マンチェスター・ユナイテッド◆ 【4-2-3-1】 ▽予想スタメン GK:オナナ DF:ワン=ビサカ、マグワイア、ショー、レギロン MF:マクトミネイ、メイヌー MF:アントニー、ブルーノ・フェルナンデス、ガルナチョ FW:ホイルンド 負傷者:DFマルティネス、エバンス、マラシア、MFエリクセン、カゼミロ、マウント、FWアマド 出場停止者:なし 出場停止者はいないが、規律問題のサンチョが不在に。負傷者の顔ぶれにも大きな変化はない。 スタメンは前述の11名を予想。注目ポイントはショーの起用法で左サイドバックで好調スターリングにマッチアップさせるか、ビルドアップを重視して左センターバックに配置するのか。左サイドに置く場合はリンデロフがマグワイアの相棒に入る形となる。そのほかでは直近のパフォーマンスが批判を浴びるラッシュフォードの継続起用、メイヌーのところにアムラバトを配置するオプションも想定される。 ◆チェルシー◆ 【4-2-3-1】 ▽予想スタメン GK:ロベルト・サンチェス DF:リース・ジェームズ、ディザジ、チアゴ・シウバ、ククレジャ MF:カイセド、エンソ・フェルナンデス MF:スターリング、パーマー、ムドリク FW:ジャクソン 負傷者:DFチルウェル、チャロバー、フォファナ、グスト、MFウゴチュク、チュクエメカ、ラヴィア、エンクンク、FWマドゥエケ 出場停止者:MFギャラガー(1/1) ブライトン戦で退場したギャラガーが出場停止となる。負傷者に関しては復帰が期待されたラヴィアとエンクンクは間に合わず、加えてマドゥエケとウゴチュクが新たに欠場する。 スタメンは前述の11名を予想。ギャラガーの不在で中盤の選手層に問題を抱えるなか、パーマーをトップ下か左インサイドハーフに配置する形で臨む可能性が高い。これに伴い、右サイドにスターリング、左サイドにムドリクを置くことになりそうだ。ディフェンスラインではリース・ジェームズ、ククレジャがサスペンション明けで復帰するなか、コルウィル、バディアシルの継続起用含めて幾つかのオプションが想定される。 ★注目選手 ◆マンチェスター・ユナイテッド:FWアレハンドロ・ガルナチョ 不甲斐ない前線で一人気を吐くアルゼンチン人アタッカー。本来であれば、古巣初対戦のマウントに大きな注目が集まるところだったが、今回の一戦では負傷欠場の可能性が濃厚。したがって、ユナイテッドの攻撃のキーマンの一人となる19歳FWに注目したい。 昨季に台頭したアルゼンチン代表FWは、ここまでの公式戦19試合(先発10)に出場して3ゴールを記録。プレースタイルの特性上、ボールロストの多さはある意味で許容範囲と言えるが、カウンターを中心に多くの決定機に絡んでいるなかでの3ゴールという数字にアシスト0という部分では最後の精度、判断という部分で改善が急務と言える。 それでも、直近の公式戦3試合ではエバートン戦でルーニー彷彿の圧巻のバイシクルシュートで今季リーグ初ゴールを挙げると、続くガラタサライ戦ではニア上を射抜く見事なシュートで自身初のCLでのゴールを記録。直近のニューカッスル戦でもチームに攻め手が乏しいなか、果敢な仕掛けで幾度か見せ場を作るなど、現状のアタッカー陣で最も期待できるパフォーマンスを見せている。 今回の一戦では相手のキャプテンであるジェームズとのマッチアップとなるが、今季ここまでコンディションに問題を抱えるイングランド代表DFはニューカッスル戦で軽率な退場を喫するなど決して本来の出来ではない。そのため、持ち味の果敢な仕掛けによってサイドで優位性をもたらしつつ、課題の最後の局面ではきっちり仕留め切る勝負強さを発揮したい。 ◆チェルシー:DFチアゴ・シウバ 百戦錬磨のベテランDFが守備立て直しを期す。ギャラガー不在のなかでエンソ・フェルナンデス、カイセドの2セントラルMFのパフォーマンスが勝敗のカギを握ることに間違いはないが、敵地で勝ち切るうえで重要となる守備を取り仕切る39歳のブラジル代表DFのパフォーマンスに注目したい。 今季の序盤戦は深刻な決定力不足、得点力不足によって勝ち点を取りこぼしてきたチェルシーだが、ここにきて好調スターリングが牽引する攻撃は改善傾向にある。一方で、先発メンバーの入れ替わりがやや激しい弊害もあってかここ最近ではソリッドさを欠く守備が勝ち点逸に繋がっている。とりわけ、直近6試合では2人の数的優位を得たトッテナム戦(4-1で勝利)を除き5試合で複数失点を喫しており、今後安定的に勝ち点3を積み上げていく上で守備の改善は急務だ。 今回の対戦相手であるユナイテッドはトップハーフで最低の16ゴールと得点力に問題を抱えているものの、プレミアリーグ初ゴール待たれるホイルンドもCLでは5ゴールを挙げるなど、アタッカー陣のポテンシャルは総じて高い。そのため、敵地で勝ち切る上ではやはり守備陣の奮起が求められるところだ。 先日のニューカッスル戦では軽率なミスで失点に絡んだものの、経験が少ない周囲をうまくリードしながら要所での好守も光る百戦錬磨の守備者は、この試合で赤い悪魔の攻撃を封殺しチームを連勝に導けるか。
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