北朝鮮に日本の衣料品不正輸出か 大阪府警、札幌の男性書類送検へ
北朝鮮のIT技術者が外国人に成り済まして違法に稼いだ資金を元手に、日本メーカーの衣料品を北朝鮮に不正輸出したとして、大阪府警は6日、外為法違反の疑いで、札幌市西区の無職の男性(85)を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。府警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。 書類送検容疑は経済産業相の許可を得ずに2019年12月5~7日、日本メーカーの下着など衣料品約200点(40万円相当)を、国際スピード郵便を使って中国経由で北朝鮮に輸出した疑い。 捜査関係者によると、男性は過去に北朝鮮で水産加工会社を経営。府警の調べに「17年ごろから、同様の手口で40~50回輸出した。北朝鮮との関係維持が目的だった」と説明しているという。 男性は北朝鮮の貿易業者から依頼を受け、衣料品を仕入れて中国吉林省の協力者に発送。協力者が北朝鮮に持ち込んでいた。仕入れには、北朝鮮のIT技術者が日本在住のモンゴル人女性2人に成り済まし、海外企業のソフトウエア開発業務を受注して稼いだ金が使われたとみられる。